「お前の初夜は俺が買った。たっぷり可愛がってやるからな」両親から受け継いだ映画館・名画座シアターマキノの3代目館長を務める夕宇(ゆう)は、不景気で経営難に陥ってしまったマキノを救うため、大手芸能プロダクションの若手社長・貴志(きし)と『偽装結婚契約』を結ぶことになった。「映画館の資金繰りを援助する代わりに」と貴志から出された条件は、『週刊誌に撮られた自分と所属事務所アイドルとのスキャンダル疑惑が冷めるまで、偽の夫婦を演じること』。契約期間内だけの婚姻関係と割り切っていた夕宇だったが、貴志との偽の結婚生活を過ごしていくうちに、次第に彼に惹かれていってしまって――?