遊戯王以外に読むべきカードゲームマンガ3選+1
よくあること」と「それに似つかわしくない重苦しい設定」と「少女マンガ的なラブストーリー」が超融合している作品です。
なかでもパーミッションデッキ(※相手の行動を打ち消したり妨害してコントロールすることが主眼のデッキ)を使うまなかのプレースタイルはおよそ主人公らしくないのが新鮮で、カードバトルものでは定番の「闇落ちしたキャラがカードゲームの楽しさに向き合うパート」もしっかり用意されてあり、読み応えは屈指と言えるでしょう。
『カードの王様』の立野先生は「バトル部分はファンタジーとして描いていた」と語る一方、本作の秋★枝先生はゴリゴリの「MTG」プレイヤー。カードゲームにのめり込んでいる人ほど実感や親しみが湧く展開が盛りだくさんだし、親しくない人は「こんな世界があるんだ!」という面白さが味わえるはず。
作者のTCGに対する造詣の深さゆえか、敢えて明確にゲームルールを設定し切らずとも「カードゲームっぽさとその界隈の雰囲気」を描くことに成功しているのがスゴいです。カードゲームもので尺を取られがちなゲーム描写を適切にコントロールしつつキャラクターの恋愛模様に注力するというアプローチ、ここも『カードの王様』と読み比べると興味深いかと。