遠い昔から時貞家に仕えてきた嘉承家の末裔・静と、時貞家の次期当主・崇文。高校生のふたりは、幼なじみで恋人同士――だった。父の余命が幾許もないと知った崇文は家を継ぐことを選び、「誰かに取られるくらいなら」と崇文に弓を向けた静は彼の頬に傷を残したきり、カメラマンの下澤と共に姿を消してしまう。生まれ育った町に静が帰ってきたのは、十二年もの歳月が過ぎたある日のこと。再会してのち、片時でもその手を離せば二度とは戻らない――そんな確かな予感に怯え、虚ろな静を抱き締め続ける崇文だが……?永い縁を巡る恋物語、ついにクライマックス!!