あらすじ

それはきっと 世界をシャットアウトした唯一の瞬間。 朝会のたびに昏倒…。親譲りの虚弱体質で保健室の常連となっている小日向。今日も保健室で目が覚めると、ベッド脇には柔道部の橘くん。何やら事情がありそうで…。ほか4編収録。 【収録作品】ホットアイスチューン/昏倒少女/溢れる/炎のゆくえ/パーティー
昏倒少女
それはきっと 世界をシャットアウトした唯一の瞬間。 朝会のたびに昏倒…。親譲りの虚弱体質で保健室の常連となっている小日向。今日も保健室で目が覚めると、ベッド脇には柔道部の橘くん。何やら事情がありそうで…。ほか4編収録。 【収録作品】ホットアイスチューン/昏倒少女/溢れる/炎のゆくえ/パーティー
地図にない場所

地図にない場所

『町田くんの世界』の安藤ゆき、最新作! 中1にして「人生終わった」と絶望する少年・土屋悠人。留守気味だった隣人のバレリーナ・宮本琥珀が 怪我で引退&天涯孤独で帰国と聞き、「俺より終わってそうなやつが見たい」と訪ねるが、なんかイメージと違うし、手がかかる人で…? 大ヒット作『町田くんの世界』の安藤ゆきが描く、新時代の優しい物語! “人生終わった2人”のご近所探訪記!!
くらもち本~くらもちふさこ公式アンソロジーコミック~

くらもち本~くらもちふさこ公式アンソロジーコミック~

くらもちふさこ45年の画業のなかで生み出された数々の名作の、豪華執筆陣による描きおろしスピンオフストーリー&スピンオフイラスト! いくえみ綾の描く「チープスリル」、椎名軽穂の描く「天然コケッコー」、雲田はるこの描く「駅から5分/花に染む」、よしながふみの描く「Kiss+πr2」……ほか、人気作家たちの手によって新しく生まれた物語たち。もちろん、単行本初収録となる「天然コケッコー」特別編100ページ、花に染むと駅から5分をつなぐ「駅から5分」特別編など、くらもちふさこの作品もたっぷり読めます!
透明人間の恋

透明人間の恋

不可視な存在故、己が瞳にも投影不可。そして色を失った私の恋物語。初告白の返事は「あんた、鏡見たことあんの?」その晩、鏡を見てみると眉毛はつながり、うっすらと…ヒゲ?久々に見た自分の姿に田辺さんは一念発起するのですが…。ほか注目の読みきり4編収録【収録作品】そこは注文の多い料理店/透明人間の恋/マトリョーシカ/勝手な2人/drops.
不思議なひと

不思議なひと

留可が想いを寄せる時緒先生と同じ名前を名乗り、「過去から来た」と称する不思議な少年トキオ。時緒先生とトキオ、2人の手のひらには同じアザがあって…?表題作を含む、6編を収録した読みきり集。【収録作品】不思議なひと/ちいさな恋のモノガタリ/悪魔のクロエ/アリス・イン・ワンダーランド/SUGAR-COAT/星とハート
町田くんの世界

町田くんの世界

物静かでメガネ。そんな外見とは裏腹に成績は中の下。アナログ人間で不器用。なのに運動神経は見た目どおりの町田くん。得意なことが何もないと本人は思っていますが周りからは愛されています。その理由とは…? 別マの新感覚連載、必見の第1巻です!!
昏倒少女
一本背負いをくらったかのような清々しさ!
昏倒少女 安藤ゆき
影絵が趣味
影絵が趣味
『町田くんの世界』でお馴染みの安藤ゆきワールドがこの短編集にも活き活きと迸っています! ―まずクラッときて ―一瞬にして左右上下 ―感覚がなくなって ―それはつまり ―受け身も取れない いきなり、こんなふうに昏倒してしまう表題作の『昏倒少女』は安藤ゆきの安藤ゆきらしさというか、安藤ゆきワールドを存分に体現しているように思います。とくにこの「いきなり」というあたりがいかにも。何はともあれ、いきなり昏倒してしまうことで『昏倒少女』は安藤ゆきワールドの台風の目のなかにすでにいる。昏倒した当の本人は、まさしく台風の目の静けさのごとく気を失っているのかもしれませんが、まあ、周囲は振りまわされるわで大騒ぎになる。 町田くんという人がまさにそうでしたけど、安藤ゆきワールドでは発端がいつもこちら側にあるんです。たとえば、町田くんという人はちょっとすっとこどっこいなところはあるんですけど、その行動はいつだって何かの理由を受けて後手後手にまわるのではなく、つまり、周囲に振りまわされるのではなく、あくまでも町田くんという人がひとつの台風の目になって周りの人たちを巻き込んでいくようなところがある。町田くんはちょっとすさんだようなところがある猪原さんという人に出会う。でも、猪原さんが何か困っていそうという理由から猪原さんにアプローチするのではなくて、あくまでも町田くんがどうも気になったから猪原さんに接近していくんです。 『昏倒少女』では、頻りに「口実」ということが言われる。わざわざ保健室にプリントを持ってきてくれた橘くんに小日向さんは「そこはかとない口実感」を感じ、保健室の先生にドギマギする橘くんに「口実はわたしか」と納得する。ちょっと安藤ゆきワールドらしからぬ口実ありきの世界。でも、後にプリントを口実にやってきたことが橘くんの口から明かされる「ふつうにクラスメートなら心配だろ」と。すぐさま小日向さんの心の中で「それってそんなにふつうじゃない気がするけど」とツッコミが入ることからも明らかな、このふつうのふつうじゃなさ。 こんなセリフをすんなり受け入れてしまうほど、私たちは物語を読むうえでも、日々の生活でも、理由というものを非常に重んじていると思います。でも、安藤ゆきワールドに接していると、何だかいかにも重要そうな理由というものが副次的なものに思えてくる。理由を受けての受け身にまわった後手後手の行動ではなくて、なんかもっと積極的で直接的なものを見てみたいと思う。それこそ、唐突に一本背負いをくらったような清々しさを!