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何をやっても、それなりに上手くできてしまうひとっていると思います。そう、たとえば、誰とでもで卒なくコミュニケーションをとることができたり、あるいは、そう、なんとなく漫画を描こうと思ったら、それらしいものが描けてしまったり。そういうふうに描かれた漫画には、それぞれに素晴らしいものがあったり、大したことのないものがあったりすることでしょう。それすなわち、世にあるほとんどの漫画のことです。なにか情熱のようなものがあるにせよ、ないにせよ、描けてしまえなければ漫画家にはなれませんからね。 そういうふうに描かれてしまった漫画のなかに、極稀に、なんだか異質なものの紛れ込んでいることがあります。そう、たとえば、小田ひで次の漫画とか。こういう言い方をするのは個人的にはあまり好ましくないんですけども、こう言うほかはなさそうなので、仕方なく漏らしてしまうと、わからないひとには多分一生かかってもわからないと思います。でも、わかるひとには1ページ目ですぐにわかってしまう。 吃音ってあるじゃないですか。口から上手く言葉を発せられないやつ。あれみたいなものなんです。ふつうになんとなく言葉を発せられるひとには、どうしてそこで吃ってしまうのか想像することもできないと思うんです。これはあくまでも比喩なので、もうすこし膨らませてみましょう。心の吃音というのもあると思います。表向きには平然を装っていても、心のなかでは何か釈然としないものがあって、ほとんどのひとには気づかれないけれど、気づいてしまうひとが極稀にいるといったような。 もう少し具体的に、小説の吃音という例を出してみましょう。学校の授業でも何でもいいです、小説を書く機会があったとしましょう。きっと、ほとんどのひとは、面白いか、面白くないかは別にして、それなりのものを書けてしまうと思うんです。ところが、極稀に、異質なものが紛れ込んでいる。ひとえに小説を書くといっても、まず人称をどうするか、という問題があります。私にするのか、僕にするのか、俺にするのか、彼にするのか、小林にするのか、Kにするのか、君にするのか、あなたにするのか、まあ、とにかく無数の選択肢があります。ほとんどのひとが、私が小林くんのことを好きになったのは~、とか、ある朝、小林が不可解な夢から目覚めると~、とか、何の躊躇いもなく語りを始めるのに対して、極稀に、そんな人称からしてすでに躓いているような異質な小説があります。書くうえでは人称はどうしても必要になってきますから、それらしく書かれてはいるものの、読むひとが読めば、その人称に吃りの生じているのがわかってしまう、そんな小説があるんです。 小説に吃音があるのなら、もちろん漫画にだって吃音はあります。そう、たとえば、小田ひで次の漫画は吃音のオンパレードと言ってもいいかもしれません。吃りながらも、どうにか粘り強く描いていこうとする姿勢がコマの端々に感じられるんです。そして、言わずもがな、ここに描かれるミヨリもまた吃音のひとですよね。どこへいても、なにをやっても、なにかこう、釈然としない。でも、それでも、どうにかやっていこうとする。だからこそ、そんなミヨリが何かを決意して行動に移すとき、携帯を川に落とすときでも、拳銃をぶっ放すときでも、私は魔女の孫よとしょうもない嘘をつくときでも、死ねえーーいとボールを投げるときでも、そんな時々に圧倒的なパワーを感じるんです。 わたしは、わたし自身が吃音のひとだからなのかもしれませんが、『ミヨリの森』のような吃音の漫画がとても好きです。 P.S. 作中にでてくる固有名詞の、黒田と大介は、やっぱり黒田硫黄と五十嵐大介のことなのでしょうか。
影絵が趣味
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タイトル
本文
ミヨリの森
ミヨリの森
小田ひで次
小田ひで次
あらすじ
母に捨てられた少女が預けられた先は、不思議な精霊たちが住む森の中だった……!?森と少女と精霊たちを細緻に描くファンタジー。
ミヨリの森
母に捨てられた少女が預けられた先は、不思議な精霊たちが住む森の中だった……!?森と少女と精霊たちを細緻に描くファンタジー。
ミヨリの森の四季
両親の別れがもとで、祖父母の住む田舎に預けられた都会育ちの少女・真縞ミヨリ。ミヨリには精霊が見えて、話もできる不思議なチカラがありました。そしてミヨリは祖母からその精霊たちが棲む森の未来を託されてしまいます。平穏な田舎暮らしを楽しんでいたミヨリでしたが……!?大反響を巻き起こしたオルタナティブ・ファンタジー第2弾!!
続・ミヨリの森の四季
両親の別れによって祖母の住む小森村へ預けられることになったミヨリ。村の生活にも、森の精霊達ともだんだん馴染んできたミヨリの前に、謎の少女・バディが現れる。さらに小森村に再びダム工事の問題が持ち上がり……!?“ミヨリの森”シリーズ三部作、完結編!!
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拡散

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父の転勤明けで5年ぶりに我が家へと帰ってきた瀬下あざみは、すぐに幼なじみの男の子・カッちゃんこと東部克彦(とうべかつひこ)に会いに行く。川原に座るカッちゃんを見つけたあざみは昔のように声をかけるが、彼に冷たくあしらわれてしまう…。
クーの世界

クーの世界

麗寧(れねい)が夢で会った青年クーは、若くして死んだ兄と同じ顔をしていた。しかも夢の中の異世界は、変な服の変な人、変な動物や生き物ばっかり!これってよくあるファンタジーってヤツ?中学生になったばかりの現実と、夢で旅する異世界が巻き起こす、少女の心の疾風怒濤!!