あらすじ

幾多の事件を経て運命を受け入れ、人ならざる人狼族の宗主となった少年・蒼(そう)。だが、異種族として生きるということは、いつもそばで支えてくれた少女・羽純(はずみ)との決別を意味していた。会いたい気持ちを押さえつけながら、それぞれの暮らしを続ける2人。その生活を始めて半年が経った頃、人狼族の秘密を狙う謎の組織が動き出した。ついに判明した黒幕の名前は「篁(たかむら)」。彼の目的は、人狼を強化する赤い石の鉱脈であり、それによって得られる凶暴なまでのエネルギーだった。蒼は敵の仕掛けた罠にかかり、瀕死の傷を負わされ連れ去られる。羽純は人狼族のルーツである中国大陸へ向かい、苛酷な運命を断ち切ろうとするが……。赤い石によって人間性を喪失した蒼に、羽純の言葉は届くのか!?ついに、永きにわたる獣人たちの戦いが終わる第6巻(完結)!!巻末には、くせもの揃いのスーパー家族コメディ「あの娘はほっとベイビー」を収録!!
風のたてがみ1巻

動物研究所の中で、仲の良い兄妹のように育った蒼(そう)と羽純(はずみ)。アイススケートが得意な蒼と、人形が好きな羽純は、平凡ながら幸せな日々を過ごしていた。だが、ある晩に蒼の瞳が得体の知れない光を宿し、研究所で飼育されていた犬たちが突然暴れ出す。その騒ぎの中で蒼は行方不明になり、羽純の父親は命を落としてしまった。それから4年、高校生になった羽純は雑誌記事でフィギュアスケートの新鋭「佐野夢解(さのゆめとき)」の顔写真を見つけた。その顔、その眼差しは探していた蒼とうりふたつ。なぜ、あの時姿を消したのか。どうして、別の名前で生きているのか。謎を解くべく、羽純は人形師からもらった不思議なキツネ型パペットと一緒に、運命が待つ東京へと向かった……。名作サスペンスシリーズ、第1巻(全6巻)!!哀しい家族の物語「波の告白」を巻末に同時収録!

風のたてがみ2巻

天才スケーター・夢解(ゆめとき)は一緒に育った少年・蒼(そう)とあまりにもよく似ている。蒼本人ならば、なぜ、正体を隠して生活しているのか……真実を知りたい少女・羽純(はずみ)は東京を訪れ、彼の身を案じる。だが養父の事業をめぐってトラブルが起き、夢解は羽純を救うために姿を変えた。鋭い爪と牙、燃えるような眼を持った四つ足の獣。彼は母親から人狼の血を受け継いでいたのだ。敵対するものを血の海に沈め、夢解は姿を消した。行く当てのない彼を待っていたのは政界の黒幕・高取と、同じ人狼から産まれた実弟・流(ながる)。人狼を道具としか見ていない高取のもとから、共に逃げ出そうと夢解は流に呼びかけるが……。異形の獣が人として生き残るための、非情な闘いが始まった!緊迫するウルヴズ・ストーリー、第2巻(全6巻)!!巻末には新種開発に情熱を燃やす少年と、見守る少女の物語「グリーン・メッセージ」を収録!

風のたてがみ3巻

人狼の血をひいた少年・蒼(そう)と、彼の苛酷な運命を共に乗り越えようとする少女・羽純(はずみ)。放浪を続ける2人は、横浜へとたどり着いた。そこで出会ったのは人を喰う化け物じみた黒い狼と、それを倒そうとする少年・基(もとき)。基の家に世話になり、黒狼との戦いにかかわった蒼と羽純は、この事件が自分たち2人の未来を暗示していることを知り慄然とする。獣性そのものを塗り固めたような黒い獣は、基の恋人・青玉(チンイー)の体から飛び出したものだった。青玉もまた人狼の一族であり、野獣を潜在意識下に封じ込めることができなかったのだ。両者は表裏一体であり、黒狼を傷つければ、青玉も傷ついてしまう。羽純は彼女を救う妙案を思いつくが……(「失われた封印」)。羽純の旧友から届いた一通の手紙。それは歪んだ愛情を秘めた、恐ろしい事件の幕開けだった(「星から来た少年」)。名作ダーク・サスペンス、第3弾(全6巻)!!連載時のカラー原稿も追加!

風のたてがみ4巻

狼に変身する能力を持つ少年・蒼(そう)。しばしば獣となって暴れ狂う自分の肉体を、彼は呪わしく思っている。だが、いつでも蒼を信頼し、一緒に生きていくつもりの少女・羽純(はずみ)は、決して彼を見捨てない。2人は絶望感と闘いながら、人狼の謎を追う旅を続けていた。ある町で狼と化し、廃屋で人として目覚めた蒼。かたわらにいた少女・日向子は奇妙な絵を描き、それをパパに渡して欲しいとせがむ。そうすれば、パパはきっと迎えに来てくれるから、と……。絵を見た父親の態度に疑問を感じた蒼。急いで廃屋へと戻るが、日向子はどこにも見当たらない。奇妙な絵は、哀しい事件を予言していたのか(「聖夜の魔法」)。人狼一族の秘密にふれた蒼と羽純は、危険な力を秘めた石「サンセットストーン」を入手した。二人の絆をもてあそぶ美女・真神桜子は何故か石の魔力を熟知しており……(「風の血族」)。人獣の境をさまよう幻想怪奇サスペンス、シリーズ第4巻(全6巻)!!

風のたてがみ5巻

その細面の少年は、どんなときでも周囲に風を従えていた。少年の名は蒼(そう)。彼の背中に輝く「風のたてがみ」を幻視した少女・羽純(はずみ)は、風に引き込まれるように人狼一族の事件に関わってゆくことになった。蒼の隠された力を見抜き、どんな手段を使っても仲間に加えようとする人狼族の急進派・桜子は、羽純をオトリにしようと目論む。先手をうった長老によって計画は防がれたが、人狼たちの守り石を狙う謎のグループが大規模な掃討作戦を開始、混乱の中で桜子は捕えられた。桜子を愛する男・一成は蒼とともに救出に向かう。いっぽう、普通の人間であるはずの羽純には、守り石の影響で驚くべき能力が目覚めはじめ……。人と獣の狭間でもがくウェアウルフの物語、第5巻(全6巻)!!後半には羽純と再会する前の蒼が、学園の猟奇事件に立ち向かう読み切り作品「逢魔ヶ刻奇譚」を収録!

風のたてがみ6巻

幾多の事件を経て運命を受け入れ、人ならざる人狼族の宗主となった少年・蒼(そう)。だが、異種族として生きるということは、いつもそばで支えてくれた少女・羽純(はずみ)との決別を意味していた。会いたい気持ちを押さえつけながら、それぞれの暮らしを続ける2人。その生活を始めて半年が経った頃、人狼族の秘密を狙う謎の組織が動き出した。ついに判明した黒幕の名前は「篁(たかむら)」。彼の目的は、人狼を強化する赤い石の鉱脈であり、それによって得られる凶暴なまでのエネルギーだった。蒼は敵の仕掛けた罠にかかり、瀕死の傷を負わされ連れ去られる。羽純は人狼族のルーツである中国大陸へ向かい、苛酷な運命を断ち切ろうとするが……。赤い石によって人間性を喪失した蒼に、羽純の言葉は届くのか!?ついに、永きにわたる獣人たちの戦いが終わる第6巻(完結)!!巻末には、くせもの揃いのスーパー家族コメディ「あの娘はほっとベイビー」を収録!!