あらすじ

嫁姑ランキング1位の嫁・千春と話した萌は、身重の体で高熱に倒れる。千春は幼なじみの医者に萌を預けるが、向かった病院はご新造さまゆかりの病院!気づいた千春は遠ざけられた夫・市毛竜王丸に会いにいく。生まれたばかりの子をご新造さまに奪われ、萌は自失状態に!夫は行方知れず。ここまできて姑・不二子は隠していたある「手紙」を取り出し、萌をよみがえらせる。萌と嫁仲間、姑の不二子で、ご新造さまに立ち向かう!
かんかん橋をわたって 1巻
住み慣れた「川南(かーなみ)」から、橋ひとつ向こうの「川東(かわっと)」に嫁いだ萌(もえ)は、上品で優しい姑・不二子(ふじこ)に引き目を感じながらも嫁としてなじもうとしていた。ところが萌の時だけ米がうまく炊けないなど、日々に違和感を感じるうちに、恐ろしいことがわかってくる。町の人が耳打ちした「気をつけたほうがいいわよ。あの人は『おこんじょう』だから」とは?恐ろしさに身震いが止まらない!嫁と姑の千日戦争!
かんかん橋をわたって 2巻
姑・不二子の差し金で泥棒の濡れ衣を着せられそうになり、夫・早菜男(さなお)の帰宅で難を逃れた萌。家での仕打ちに加え、嫁いだ「川東」の地域で、酷い目に遭っている嫁の番付「嫁姑ランキング」に自分が入っていることを知る。父の死に目の際にも姑の意地悪が働いていたと知り、なすがままに姑の仕打ちにさらされていた萌は、姑に立ち向かう決心をする!そんな中、同居する義姉に料理を仕込むよう、姑から命じられて…。
かんかん橋をわたって 3巻
姑・不二子の狙いどおり、打ち解けたかに思えた義姉に徹底的に嫌われた萌。姑の手口を意識するようになった萌は、対抗の手立てのために不幸番付「嫁姑ランキング」の、同じ上位の嫁・権藤木(ごんどぎ)など、上位の嫁を次々に訪ねる。そして嫁姑の災禍に巻き込まれている惨状を目の当たりに。だが家庭で現状を知らしめるのは無理だという。「夫は絶対に気づかないようになっている」とは!?
かんかん橋をわたって 4巻
「嫁姑ランキング」の上位の嫁、つまり姑に残酷な目に遭わされている嫁同士で交流が広がるも、互いの存在を確認するだけしかできない嫁たち。ただ、少しずつ「川東」地域の空気が変わってきた…?そんな萌の奔走をあざ笑うかのように、姑・不二子は、これまで女だけでやるしかなかった「かんかん橋」の補修に男衆を呼ぶことに成功してみせる。萌は改めて「地域一の『おこんじょう』」の掌の中で踊らされていることを知る…。
かんかん橋をわたって 5巻
「嫁姑ランキング」の上位の嫁仲間・権藤木は気づいた。萌が確実に変わったと。苦しむ嫁たちの相談に乗るようになった萌。そして姑・不二子の仕打ちにも対抗策を講じるようになった萌。ただ、不安なことが。萌の笑顔が輝くとき、どうも姑に似てきているような…!?不二子は笑う。「わたしは目を細めて見守ってますよ。かわいいわが嫁の成長ぶりを」。萌は足を伸ばす地域を広げ、超閉鎖的な旧家の嫁に、手を貸そうとしていた…!
かんかん橋をわたって 6巻
嫁姑問題の解決に首を突っ込みすぎる萌を危惧して、嫁仲間・権藤木は、離れた旧道沿いの問題へと萌の目を向けさせていた。事情通の権藤木が見たところ、閉鎖的な「川東」での真の恐怖は、妊娠した嫁へ届く「出産祝い」にあった。贈り主である絶対権力者「ご新造さま」とは!?萌が関わりだした旧家の嫁の苦難にも「ご新造さま」は関係していた。姑・不二子はどこまで知っているのか。「川東のウミを出す時がきただけのこと」とは!?
かんかん橋をわたって 7巻
萌のお腹には新しい命が。そんな萌の元へも、謎の絶対権力者「ご新造さま」からの出産祝いが届いた。ご新造さまに屈しない姑・不二子の手を借りた萌は、ご新造さまへの絶縁状を叩きつける!怒らせたご新造さまの正体、それは嫁姑ランキング1位の嫁の、姑!待っていたのはご新造さまの策略による地域ぐるみのいびり攻撃。ご新造さまの次の一手が、萌の夫に伸びる…!
かんかん橋をわたって 8巻
身重の萌の夫・早菜男(さなお)に浮気疑惑が。相手の女がマタニティー姿で家に乗り込んできたのだ。絶対権力者・ご新造さまの思惑どおり、川東を出る萌。姑・不二子が、里帰りした萌を訪ね、闘志をたきつける。再び闘う決心をした萌は、川東に戻るも、実家には帰らず、ご新造さまの過去をつかむため「ほとぼり小舎(ごや)」へと足を向ける。雪の中会ったのは嫁姑ランキング1位の嫁・千春!
かんかん橋をわたって 9巻
嫁姑ランキング1位の嫁・千春と話した萌は、身重の体で高熱に倒れる。千春は幼なじみの医者に萌を預けるが、向かった病院はご新造さまゆかりの病院!気づいた千春は遠ざけられた夫・市毛竜王丸に会いにいく。生まれたばかりの子をご新造さまに奪われ、萌は自失状態に!夫は行方知れず。ここまできて姑・不二子は隠していたある「手紙」を取り出し、萌をよみがえらせる。萌と嫁仲間、姑の不二子で、ご新造さまに立ち向かう!
かんかん橋をわたって 10巻
川東の人々を従わせるためにご新造さまが行った「経済封鎖」を、萌たちが道途中でバザーを開くことで、打ち破る。今度は「ご新造さまに名付けられた男児」が一斉に連れ去られ、萌たちは全面対決を決行。1位の姑のいる「市毛家」に乗り込む。「愛される女主人」であることに固執するご新造さまを倒すことはできるのか。川東一帯を縛りつける嫁姑の呪縛が、今、解ける!?
気がつけばうちのごはんのにおいだった 完全版(分冊版)

気がつけばうちのごはんのにおいだった 完全版(分冊版)

ヒューマンドラマに定評ある草野誼が、ぬか漬けきゅうり、キンピラゴボウ、茄子の味噌炒めなど、食卓でもおなじみのおかずをキーワードに、読めばほっこり優しくなれる話を紡ぎました。単行本刊行時に未収録だった「じゃがいもコロッケ」「煮込みおでん」の2作品も初収録。大切なこと、美しいことは食卓の思い出にあります。あなたの思い出も再確認したくなるかも。
愚者の皮-メグリ編-

愚者の皮-メグリ編-

彩川家には「共感覚」と呼ばれる不思議な能力で、学園の風紀を守る3組の双子たちが暮らしていた。そんな彼らの家に引き取られたメグリは、男の服を着せられ「弟」として育てられる。ところが、極度のマザコンである兄弟たちは、メグリの中に母性を見出して…!? 毒母の呪いにとらわれた、おぞましき家族の愛憎劇がついに開幕。
愚者の皮

愚者の皮

幸福と不幸を分かつものは、ただひと張の薄皮のみである――。愛する夫・英馬のために日々を過ごしてきた妻・あよ。容姿端麗で心の優しいあよは、英馬の自慢の妻だった。しかし、そんな円満夫婦の元に起こる突然の不幸……。交通事故で命は助かったものの、美しい顔に傷を負ったあよ。夫のため、整形手術を受ける事にしたのだが――?夫婦の愛の形。人間の神髄に眠る本当の美しさ、醜さとは――!?究極の人間ドラマがいま始まる――!
ガレージ・ママ

ガレージ・ママ

脱サラ作家のパパ、お菓子名人のママ、そして長女の胡桃に双子の弟・しい太としめ次。幸せに暮らしていた木ノ宮一家だったが、金銭トラブルからママだけが家から追い出されることに。ところが、家を出たママは、自分名義のガレージで暮らし始め……。「愚者の皮」の草野誼が家族を想う母の愛を、ナチュラルライフを通じて描く、ハートフル・ストーリー!
いのち輝いて

いのち輝いて

手芸を絡めて四季おりおりの、母から子への愛の情景が描かれる――草野誼のソーイングブックシリーズ。孤児となった親戚の子供を引き取った母親が我が子といろんな差をつけてしまうことに思い悩む「ゆきはふりつむ」を初め、感涙必至の心が震える作品が満載です。
気がつけばうちのごはんのにおいだった 完全版

気がつけばうちのごはんのにおいだった 完全版

ヒューマンドラマに定評ある草野誼が、ぬか漬けきゅうり、キンピラゴボウ、茄子の味噌炒めなど、食卓でもおなじみのおかずをキーワードに、読めばほっこり優しくなれる話を紡ぎました。単行本刊行時に未収録だった「じゃがいもコロッケ」「煮込みおでん」の2作品も初収録。大切なこと、美しいことは食卓の思い出にあります。あなたの思い出も再確認したくなるかも。
桜人

桜人

自分の死を前にし、娯楽を空疎に感じるようになった時。様々な思いや願いを込めて集めた副葬品にいちばんの思い出は在りますか? 人生に悔いが残らぬよう持っていける、最高の副葬品とは? 後悔は無く、喜ばしき門出となるようにっと副葬品贈る陶芸家と桜人の物語。
草野誼傑作集 名残りの薔薇

草野誼傑作集 名残りの薔薇

加藤アグリは7年前に住み込み家政婦として来てから一歩も外出していない。1日中2階にある自分の部屋で過ごす。仕事をするのは家じゅう寝静まった真夜中か家族が留守にしている時間帯。アグリは対人恐怖症という心の病気なのかもしれない。対人恐怖症の家政婦アグリが家族に与えてくれたものとは…!?
かんかん橋をわたって
嫁姑漫画を少年漫画の文法で描く!
かんかん橋をわたって 草野誼
toyoneko
toyoneko
「嫁姑漫画」なるジャンルがあります。嫁と姑の確執は永遠のテーマですからですね。コンビニなどでよく見かけます。 そして本作「かんかん橋をわたって」は、嫁姑漫画の極北に位置する漫画です。 初期は、まぁ、わりと普通の(?)嫁姑漫画です。嫁ぎ先の姑がイジワルで、いろいろな嫌がらせをしてきます。 主人公の嫁ぎ先である「川東」(かわっと)では、イジワルのことを「おこんじょう」と呼ぶのですが、主人公の姑はなんと「川東(かわっと)一のおこんじょう」と呼ばれている凄い姑! 主人公は、そんなおこんじょうに耐えて一生懸命頑張る!というお話でした。 まぁ3話で「嫁姑番付」という「嫁いびり番付」の話が出てきたりとか(主人公は4位)、やや特殊な設定が見え隠れしますが、このへんはまだ普通でした。 ところが4巻くらいからだんだん風向きが変わります。 主人公の姑は、ただの「おこんじょう」ではなく、恐るべき策士であることが明らかになっていきます。 主人公は、その様子を見て、「お義母さんにはすべて見えているんだわ」「なんて…なんてすごい人なんだろう!」とか言い出します。 そして、憧れの姑に負けないように、自らも恐るべき「おこんじょう」を発揮するようになっていきます。 具体的には、姑の着物ダンスから防虫剤を全部抜き取って着物を虫食いだらけにしたりするんですが…(なお、姑はそれを見て大変喜び、とびきりの笑顔で虫食いだらけの着物をきて歩き回ります。)。 さらに、主人公は、その他の嫁姑番付ランカーにも働きかけ、嫁姑の仲違いを解消したり、問題を解決するなどして、どんどん力をつけていきます。 それを見た姑が「なんて上手なおこんじょう」と評すシーンなどは、作中屈指の名シーンですね!(添付)。 そして物語はクライマックスに向けて動き出します。 地域支配者たる「ご新造さま」があらわれ、嫁姑番付ランカーが次々と登場します。 恐るべき「ご新造さま」に対し、主人公と姑は共闘し、最終決戦に挑むことになります。 もう何のこっちゃか全然わからないかもしれませんが、とにかく最終的にはそういうお話です。 このように、本来は、嫁姑漫画のはずなのですが、「嫁姑ランキング」とか「成長する主人公」とか「力を合わせての最終決戦」とか「ラスボス」とかの少年漫画的要素を盛り込みまくって完成されたのが本作です。 「嫁姑漫画を少年漫画の文法で描いた」ともいえます。 怪作ですが、個人的には大好きです! なおコミックは全10巻(ただし電子版のみ)。現在は全巻アンリミで読めます!