遊郭で幼い頃から過酷な運命を生き抜いてきた絃(いと)は、初めての床入りの日に予期せぬ運命に巻き込まれる。そこに現れたのは、冷酷無比で知られる五ノ井財閥の若き社長、瑛(あきら)。次期当主として絶対的な権力を持つ彼は、絃をその場から救い出し、純潔のまま身請けしてしまう。彼の目的はただ一つ――失踪した正妻・愛子と瓜二つの絃に、「俺の妻のフリをしてくれ」と大胆な契約を持ちかけることだった。絃は自由を手に入れるため、瑛の「契約婚」に同意するが、次第に彼の不器用な優しさに惹かれていき――…(この作品は雑誌「コイハル vol.21」に収録されています。重複購入にご注意ください。)