あらすじ

故郷・雑賀(さいが)に里帰りしていた彦佐(ひこざ)の前に、再び強大な敵が迫る!数々の村を皆殺しにして荒らしまわる大海賊“海ムカデの仁羅(じんら)”!!その首領は、かつて旋風(つむじかぜ)三人衆が倒した、あの“氷の死紋(しもん)”の弟だという。弟のように可愛がっていた子を殺された彦佐は、怒りのあまりに我を忘れ、戦に不慣れな町の衆を弔い合戦に駆り立てようとするが……。
疾風伝説 彦佐(1)

時は戦国、争いと裏切りがはびこるこの時代に、金でやとわれ戦を渡り歩く三人の戦士がいた。戦国史上最強と言われる彼らの名は、旋風(つむじかぜ)三人衆!!――子供のように無邪気で、常に食うことばかり考えている彦佐(ひこざ)。しかし真の顔は、三人衆の首領にして、鎧をも断つという伝説の名剣・七星剣を振るう「疾風(かぜ)の彦佐」!!「月影の飛竜(ひりゅう)」「ムササビの小源太(こげんた)」とともに戦乱の世を駆ける!!

疾風伝説 彦佐(2)

お宝を隠し持つ、海賊の末裔の村の護衛に雇われた彦佐(ひこざ)ら、旋風(つむじかぜ)三人衆。冷酷非道な剣の達人“氷の死紋(しもん)”の軍団からお宝を護るために激突するが、その時、死紋らはすでにお宝の一つ“南蛮渡来の不老不死の薬”を飲んでいた!!どんな攻撃も利かない不死身の軍団に取り囲まれ、満身創痍の旋風三人衆、万事休す!!

疾風伝説 彦佐(3)

故郷・雑賀(さいが)に里帰りしていた彦佐(ひこざ)の前に、再び強大な敵が迫る!数々の村を皆殺しにして荒らしまわる大海賊“海ムカデの仁羅(じんら)”!!その首領は、かつて旋風(つむじかぜ)三人衆が倒した、あの“氷の死紋(しもん)”の弟だという。弟のように可愛がっていた子を殺された彦佐は、怒りのあまりに我を忘れ、戦に不慣れな町の衆を弔い合戦に駆り立てようとするが……。

疾風伝説 彦佐(4)

“海ムカデの仁羅(じんら)”との戦いで援軍として駆け付けた瀬戸内海賊・土生剛介(はぶ・ごうすけ)と、彦佐(ひこざ)の出会い編!!――水がなく、植物が育たない不毛の島・蛍(ほたる)島で島長を務める土生は、イカサマ賭博や海賊仕事で金を得て、島の人間が生きるのに必要な野菜を手に入れていた。土生の妹が野菜不足で命を落としたことを知った彦佐は、畑を耕し始めるが……!?

疾風伝説 彦佐(5)

飛竜(ひりゅう)の左腕の傷を治すため、先進医術の伝わる琉球(りゅうきゅう)へとやってきた旋風(つむじかぜ)三人衆と瀬戸内海賊の大将・はっちゃん。平和を愛する琉球の国だが、ここ数か月、働き盛りの若い男女が次々と神隠しにあうという事件が起きていた。その実体は、明(みん)海賊の奴隷狩り。さらには、明海賊総大将の趙盾元覇(ちょうじゅん・げんぱ)が、琉球王国を手中におさめようとしていた……!!

疾風伝説 彦佐(6)

鍼師・鉄心(てっしん)とともに企てた反乱が失敗に終わり、死を待つのみの重労働区に送られた彦佐(ひこざ)。しかしそこで彦佐は、海賊どもを根こそぎたたきつぶす、逆転の秘策を見つけ出す。それは、土に混ざった「魔法の土」。これで爆薬を作り、鍾乳洞を崩壊させる!――しかし、崩壊寸前の鍾乳洞で、彦佐たちは、諸悪の元凶・趙盾(ちょうじゅん)と対峙!!奪われた七星剣を取り返し、無事に鍾乳洞から脱出できるか!?

疾風伝説 彦佐(7)

琉球からの帰還の途中で平戸に立ち寄った、旋風(つむじかぜ)三人衆。小源太(こげんた)は、偶然出会った赤毛の海女に一目ぼれ。戦で亡くした初恋の娘の分まで守ってやりたいと恋心を募らせるが……。そんな中、あの“仁羅(じんら)”が、さらに力を蓄えて、再び彦佐(ひこざ)たちの前に立ちはだかる!彦佐は、前の戦いでの実力は完全に仁羅に劣っていたことを自覚し、因縁の決戦に不安を募らせていく……。

疾風伝説 彦佐(8)

仁羅(じんら)軍を壊滅させるため、決死の覚悟で平戸の町に焼き打ちをかけた彦佐(ひこざ)。しかし、何者かの投げ文により作戦は失敗、数百の鉄砲隊の前で、仁羅と対峙することに……!足に銃撃を受けた彦佐は、仁羅の圧倒的な疾(はや)さと強さの前に手も足も出ず、ついには捕らわれてしまう……!!さらに、飛竜(ひりゅう)と小源太(こげんた)をおびき寄せるため、広場に吊るされて……!?

疾風伝説 彦佐(9)

天気の崩れを読んだ飛竜(ひりゅう)の策略と、大隅(おおすみ)海賊に救援要請をした土生(はぶ)の機転のおかげで、勢いを盛り返した旋風(つむじかぜ)三人衆と平戸軍!援軍を待つニ刻の間が勝負!飛竜・彦佐(ひこざ)の知略が勝つか、仁羅(じんら)の冷酷な戦法が勝つか!?平戸戦、決着!そして舞台は、不毛の火山灰の大地・大隅へ!

疾風伝説 彦佐(10)

琉球・平戸・大隅を経て、やっと故郷・雑賀(さいが)に帰ってきた彦佐(ひこざ)ら旋風(つむじかぜ)三人衆。しかしそこには、帰郷に浮かれる彦佐たちを遠くから見詰める美しき舞姫の姿が。その舞姫の正体は、伊予国(いよのくに)の姫君だった……!姫の体に刻んだ宝の地図と引き換えに、三人は伊予を守れるか……?

疾風伝説 彦佐(11)

三万の軍勢を持って伊予(いよ)を攻め立てる茨城高成(いばらぎ・たかなり)軍。対する伊予軍はわずか九百。一縷の望みをかけた奇襲の計を巡らせる彦佐(ひこざ)は、天日干しの塩から天気の急変を読み、さらにはリンを含む土を燃やして、暗闇の中で敵陣への道を照らしてみせた!高成を捕縛し、奇襲は成功!次なる敵は、“うつけ”の仮面をかぶった底の知れぬ男、次男・高之(たかゆき)!

疾風伝説 彦佐(12)

彦佐(ひこざ)が仕掛けた、“親子ゲンカ”の罠。ニセの書状により高之(たかゆき)に謀反を企てられたと信じこんだ父・高興(たかおき)は、高之追討の兵を上げた!しかし、高之はこの機に乗じて高興を亡き者とし、かねてからの計画通りに、茨城(いばらぎ)家当主の座を手に入れることに……!『疾風伝説彦佐』ついにクライマックス!番外編『紅の疾風(かぜ)』も収録!