――いつか認めてもらえる日が来るかもしれないなどと、そんなありもしない幻想を抱いて・・・・・・。「お前をこの国から追放する!」聖女を代々輩出してきたランドネイ家。長い歴史の中でも初めて男の聖女《聖人》として力を授かったリルーシュは歴代聖女たちとは違い漆黒の髪と黄金の瞳を宿していた。外見や性別の違いから気味悪がられ、国中から後ろ指を刺される日々を送るリルーシュ。それでも亡き母の言葉「皆のためになることをなさい」を胸に献身的に仕事をこなしてきたが、濡れ罪を着せられ国外追放されてしまう。追放された先で、怪我をして倒れていた美青年を助けたらなんとその人物は隣国の王子・ウォージン殿下で――!?