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「これから俺が君をお姫様にしてあげる──」女子大生のひよりは、20歳の誕生日を目前に彼氏の浮気を目撃。ショックで呆然としていたところ、偶然出会ったホストの慧人（けいと）に、ひよりは惹かれていく。夜の世界とは無縁だったはずのひよりの人生は、慧人によって大きくその進路を変えていき――？
「綺麗になってさ、元彼見返してやろうよ。俺に任せて？」慧人に連れられて初めてのホストクラブへ。慧人から誕生日を祝われ、”姫”扱いされたひよりは恋に落ちていくが、慧人にはある裏の顔があるようで……？
「俺がひよりを守りたかっただけ」慧人に会うため、ホストクラブに通うようになったひより。以前よりも垢抜けて可愛くなったひよりに、元カレの大翔（ひろと）がヨリを戻そうと言い出す。しつこく迫る大翔に困っていたところに慧人が現れて……。
「お金があれば辞めなくていいんだよね？」エースの姫に売掛を飛ばれ、月末までに100万円を用意できないと店をクビになると、慧人から打ち明けられたひよりは、代わりに売掛金を稼ぐことを約束する。だが、普通のバイトではそんな額を稼げるわけもなく、ひよりは追い詰められていく……。
「ひよりなら絶対稼げると思うんだよねぇ」友達の恋夢（こゆめ）からパパ活に誘われたひよりは、怖さから一度は断る。しかし、無理がたたって倒れてバイトをクビになってしまう。このままじゃ慧人と会えなくなる、と追い詰められたひよりは……。
「今ならまだ引き返せるんじゃん？ 慧人の本性を見たらどうせ…」慧人を救うため、とうとうパパ活を始めたひより。稼いだ大金を持って久しぶりにエピフィラムを訪れてみると、そこには自分以外の「姫」をもてなす慧人の姿があった。一抹の不安を抱えたひよりに対して、さらに追い打ちをかけるような言葉が投げかけられる……。
「私は慧人のエースになりたい」パパ活の相手に無理やり迫られるひより。必死に抵抗し、その場から逃げることはできたが、パパ活の危険性を知り嫌気がさす。しかし、ホストである慧人の「本当の一番」になるためには、大金を得るしかないということもわかっていて……。
「割のいいバイト紹介してくれる奴がいるんだよね…」何度も危険な目にあったことで嫌気がさし、パパ活をやめるひより。遊ぶ金もなくなり、エピフィラムに通うことができなくなってしまう。ひよりに、もっと金を貢がせたい慧人は、あるバイトを紹介する……。
「今日からひよりは俺のカノジョだからね？」慧人の生誕祭にシャンパンタワーをすることを目標に、ひよりは大学も休学して夜のバイトにのめり込んでいく。そしてついにひよりは名実ともに慧人の「一番」になる。彼女と呼ばれて幸せの絶頂にいるはずなのに、今度は慧人から見捨てられる不安を抱えていく……。
「私だけが”特別”だって信じたい…」慧人の昇格祭でシャンパンタワーをする代わりに、誕生日に旅行に行く約束をしたひより。一方、慧人はだんだん束縛が激しくなっていくひよりに嫌気がさしてきて……。そんなとき、ひよりの口座からタワーのために稼いだお金がなくなって！？
「今までの思い出全部…嘘だったの？」慧人が見知らぬ女性と仲睦まじく会話している光景を目の当たりにしたひよりは、慧人を問い詰める。開き直った慧人は、悪びれることもなくひよりにすべて打ち明けて……！ 真実を知り、ショックを受けるひよりは、行く当てもなく街をふらつく。そんなとき、彼女に声をかけてきたのは……？
「私は変わらなきゃ」慧人との日々が泡沫のようにはじけ、縋るものを失ったひよりだったが、愛美の言葉に救われる。過去を肯定し、前に向かって進められるよう慧人との決別を決意するひより。穏やかな日々を取り戻したかに思われたが、そんなある日、信じられない人物が訪ねてきて……？
時は流れ――。公認心理師となったひよりは、かつての自分のように思い悩む人の救いになろうと奮闘する日々。そんなある日、慧人と初めて出会った場所に赴いたひよりだが……？泡沫の恋に踊らされたひとりの女性の物語、ここに完結。
