あらすじ

アルスの前に現れた最強の敵・魔人王ジャガン!!ロトの血を引きし者同士の壮絶な死闘が始まる!!
ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 1巻

あの頃の熱き想いが甦る!!カラー原稿の完全再現に、描き下ろしを多数収録!また未掲載の原稿を収録し、豪華特典を多数満載したファン待望の「完全版」堂々発売!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 2巻

大賢者カダルの命を受け、3人の「ケンオウ」を捜しに旅立ったアルス達は、アッサラームの町に辿り着く。2人のケンオウとの出会いを機に、アルス達の過酷な運命が加速する――!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 3巻

三人目のケンオウを捜すアルスたちの前に立ちはだかる巨大な敵・・・。それは前勇者たちさえも苦しめた偉大なる魔王・バラモスだった!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 4巻

アリアハンへ向かう一行を襲ったのは、自我を無くし暴走した海王・リバイアサン!!その恋人・パールの願いを聞き入れたアルスたちは、悲しき戦いに終止符を打つ!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 5巻

10万頭の魔物たちを前に、たった1人で立ち向かうアルス!圧倒的不利な状況の中、孤高の勇者アルスの戦いが始まる!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 6巻

ついに動き出す獣王グノン!勇者、そして聖戦士たちの運命は!?激闘のアリアハン編クライマックス!!彼らの勇姿を見逃すな!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 7巻

アルスの前に現れた最強の敵・魔人王ジャガン!!ロトの血を引きし者同士の壮絶な死闘が始まる!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 8巻

地上最強の伝説の剣を求め、黄金の国・ジパングを訪れたアルスたち。その地で待ち受けていたのは、強大な敵・邪龍ヤマタノオロチだった!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 9巻

再びアルスの前に現れた魔人王ジャガン!!今、因縁の戦いに終止符が打たれようとしていた―――!!ロトの紋章が導く結末とは!?

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 10巻

闇のオーブを封印しようと訪れたレイアムランド。しかし、アルス達はそこで闇のオーブの発動を許してしまうのだった・・・・・・。

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 11巻

ついに正体を現した冥王ゴルゴナ!ゴルゴナが語る大魔王・異魔神に隠されていた超神話の秘密とは!?そして勇者たちは大魔王復活を阻止すべくローラン城へ向かう!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 12巻

勇者たちと対峙する最強の魔物・竜王!その圧倒的な力の前に成す術を失ったアルスたちの運命は!?そして世界は、崩壊への序曲が始まろうとしていた!!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 13巻

復活した異魔神!世界を揺るがす凶悪かつ圧倒的な破壊神の前に、人類は滅亡の危機に陥る!絶望する世界の中、アルス・アラン、二人の勇者が異魔神に立ち向かう!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 14巻

ロトを受け継ぎし、アルス・アラン・アステアの三人の勇者が集結!!そして世界を救うため、人々を守るため、仲間たちと共に異魔神との血戦が始まる!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 15巻

希望を・・・未来を・・・世界を・・・全ての人類の命運を担い、勇者アルスは大魔王・異魔神との最終決戦に挑む!新たに描き起こされた最終話によって、真の伝説が明らかとなる!!感動の最終話を見逃すな!!!

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版

昔は「ガンガン」っ子でした

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 藤原カムイ 小柳順治 川又千秋
六文銭
六文銭

小学生の時分。まわりが、ジャンプやサンデーやマガジンで湧いていたころ、ひねくれ者だった自分は「ガンガン」を読んでいました。 というか、わりとクラスで、地味めの、いわゆるオタクっぽい輩は大体ガンガンだった。(あくまで個人的な感想です) 「魔法陣グルグル」「ハーメルンのバイオリン弾き」そしてこの「ロトの紋章」は当時、ガンガンの3大タイトルでした。 ジャンプで例えるなら「ドラゴンボール」「スラムダンク」「幽遊白書」みたいなもんです。(ちょっと違うか) ジャンプでドラクエをベースにした「ダイの大冒険」がヒットしたので、エニックス(現:スクウェア・エニックス)のお膝元である、ガンガンで連載したのでしょうかね? ガンガンには、既にドラクエの「4コマ漫画」が掲載されているので、「ドラクエ要素」は結構あったのですが、 4コマがギャグならこっちはシリアス路線で、小学生ながら違う味を楽しんでました。 大人になった今、電子書籍でもう一度読み直してしまいました。 懐古厨といわれても、いい。 今読んでもホントに面白かったです。 著者いわく、電子版配信にあたって今風に加筆修正されているそうです。 その意欲スゴっ! なのですが、一方でストーリーの大筋は変わっていないので、 小さい頃読んだことある人でも、特段違和感はないように思います。 さて、本作の魅力ですが、個人的には2つあると思ってます 1つ目は、純然たる少年漫画であること。 2つ目はそれに加えて、人生の苦味とも言える要素があること。 私はこの2点だと思っております。 1点目は、とにかく少年漫画の王道。 ストーリーも有りてい言えば、修行して強くなって、悪い魔王を倒す。 んで、魔王は底なしに悪いやつ。という設定は、少年漫画そのものです。 更に、少年漫画ではド定番の「必殺技」もたくさんでてきて、特に賢者(賢王)の合体魔法は、ゲーム好きでもあった自分には胸アツな技でした。 小学生の頃はよくマネしたり、自分で考えたりしたものです。 敵キャラも、獣王、竜王、冥王など四天王のようにわかりすく強そうな感じで登場し、味方サイドも剣王、拳王、賢王という、これまた戦士、武闘家、賢者というわかりやすく職業が決まっているのが良い。 シンプルでわかりやすいのは、少年漫画としては大事ですね。 そして2点目は、これが割と大人になった今でも無理なく読めたところなのですが、上記のように少年漫画チックにしておきながら、人生の苦味ともいえる要素があって、例えば、重要な人物が結構死ぬということ。 しかもあっけなく。 少年漫画では、よくある 「実は死んでませんでした~(てってれー)」 みたいなことがなく、ガチで死にます。 ドラクエならザオラルがあるよね? 世界樹の葉があるよね? なんて、どこか思っていた節があったので、このガチな死は子供ながらにトラウマだったんですね。 ですが、今読むと、 「まぁそうだよなぁ」 世界救うのに、こっちの犠牲は0じゃすまないだろ、と妙に納得してしまいました。 トラウマから納得。 この加齢とともに変わってしまった感覚もどこか楽しかったです。 特に、タルキンの決死のメガンテから、賢王覚醒は今読んでも涙してしまいました。 もう1つは、主人公のアルスが魔人王ジャガンとの初戦闘で、 ボロ負けして、最後に「ビビる」シーン。これが鮮烈なんです。 少年漫画の主人公ならどんな逆境でも、物怖じせず、引かぬ、媚びぬ、突っ込むの精神(少なくともジャンプなら)だと思うのですが、 本作では上記のとおり、主人公であり勇者でありながら、あまりに人間的(まるでモブキャラのように)に死を恐怖する。 少年漫画の主人公が超人的な強さと精神力をもった次元の違う存在、ある種の絶対的なヒーローとして君臨するのに対して、 本作のアルスは違うんですね。 そこが、大人になった自分はグッときたのです。 そこらへんの子供と何も変わらない一人の少年なのに、勇者の家系に産まれた血の運命と、世界を救う使命だけで気を張って戦ってきたのかと思うと、その姿に腹の底から応援したくなるんです。 (上述の戦いの後、アルスが再起する姿も、また涙ものです。) 勇者一人じゃ何もできない。 だからこそ、仲間の助けが必要だということを理解させてくれます。 勇者とは単純な強さだけではなく、仲間を信じ、助けあい、逆境の中で奮い立たせられる力なんだと身にしみてわかります。 ラストシーンの全人類VS異魔神も、アルスのその姿が際立ちます。 懐かしい人も、初めての人も、ドラクエ好きな人も、ファンタジー漫画の定番としてぜひおすすめしたい作品です。 余談ですが、惜しむらくは、 電子版には、背表紙がないってことですかね。 キャラが行進?していく姿が一枚絵になる、あれが何気に好きだったんですけどね。それが、ちょっと残念でした。