あらすじ修一の名門幼稚園受験の準備に奔走する裕子は、お盆の帰省にも不満顔だ。しかし、いなかに帰って義母から、お盆の由来である目連尊者の話を聞き、「わが子だけは」という母の心に自分を見たのである。子どもを競争社会に駆りたてようとした自分の愚かさ、母親としての罪深さに気づく。そして裕子は、今まで生活の中で失いかけていた、たいせつなものを取り戻してゆくのであった。