【“恋人役”から“その先へ”ーーーココロ溶ける恋愛物語――待望の第3集!!】香月立花(かづきりっか)は、大人しくてちょっと口ごもる癖のある演劇部所属の高校二年生。和泉(いずみ)ヒロトは、男女からモテる人気者の同級生。二人は、互いに特別な“恋人役”になった。 立花の為に演劇部に入部したヒロトだが、車椅子での生活を送る双子の妹・夏帆と、家庭での自身の役割から“自由”ではいられない。それでも恋への衝動が膨らみ続ける。そんな中、演劇部に入部したヒロトーーー青春という舞台で、少女は激情を燃やす!! “恋人役”から“その先へ”・・・最高純度の青春!!ココロ溶けるラブストーリー、待望の第3集!!
「自分だけ幸せになってはいけない」 という呪いを抱いて生きてきた人には、共感を抱かれる作品かもしれません。 容姿も性格も良く人気者である男子高校生・和泉の抱える闇は、とある家庭の事情。彼が中学校のころから一緒の立花への特別な想いが移動教室中の肝だめしというイベントで開花します。 そんな立花は、普段は口ごもりがちでありながら演劇の才能を持つ少女。彼女も彼女で、和泉に対しては特別な感情を抱いています。 お互いに特別な想いがありながらも、すんなりと付き合うことはできない事情を抱えたふたりを巡る物語です。恋物語は障害がある方が燃えるとはいえ、少々重いです。が、これはこれでこうした作風が好きな方も少なからずいることでしょう。 年頃の子たちが普通にしていることを、自分だけできず我慢を強いられる。そのストレスやそれによって生まれる歪みは非常に大きなものです。しかし、さまざまな理由によって現実にそうなってしまっている人は多くいます。その圧力が解き放たれる先が、内か外か。自分か他人が傷を負うことは避け難いです。 プロタゴニストは「主人公」の意。主人公になりたくてもなれない。そんな人生を、青春を過ごす少年少女たちが胸を焦がします。 立花の奥底にあるものも含めて、行末が気になります。