自身の過去を知る編集長と再会したテオは彼との会話の中で心の傷と再び対峙する。トラウマとなった噂と偏見、他者の視線。記憶を曖昧に歪ませた薬の存在。そして“空想上の友達”ピート誕生の理由。やがてテオは自分たちの中に旅の答えを見つけ、深い霧を彷徨い歩いた長い旅はついに終わりを迎え……。そしてそんなテオに共鳴するように、リノアも心の奥底に封じ込めていた秘密を露わにして――。ずっと癒えないままだった傷がふたりを繋ぎ、これから歩む道を照らす。ドイツの田舎町で窓に降り立った小さな奇跡の物語、ついにクライマックス!