あらすじ

最高の「旅の体験」をそっくりそのままデータでお届け。それが「無名旅行人」のお仕事! クロアチアの路地裏、雄大なエアーズロック、アイスランドに煌めくオーロラ、、、。ポンコツ先輩としっかり後輩が織りなす無名旅行人女子2人旅、依頼人の声に応えて世界中を繋げてみせます!
旅に出るのは僕じゃない(1)【電子限定おまけ付き】

世界中の自由な行き来が困難になった時代――。それでも僕らは、繋がっている。未曽有のパンデミックから20年、未だ海の向こうは遠く、、、旅を求める人々の声に応えて「最高の旅の体験」を丸ごとデータで持ち帰る仕事があった。それが「無名旅行人」。神秘の大神殿、砂漠をゆくキャラバン、世界一の高層ビル群、、、お望みの場所ならどこへでも。世界を巡る物語、第1巻!

旅に出るのは僕じゃない(2)【電子限定おまけ付き】

最高の「旅の体験」をそっくりそのままデータでお届け。それが「無名旅行人」のお仕事! クロアチアの路地裏、雄大なエアーズロック、アイスランドに煌めくオーロラ、、、。ポンコツ先輩としっかり後輩が織りなす無名旅行人女子2人旅、依頼人の声に応えて世界中を繋げてみせます!

旅に出るのは僕じゃない(3)【電子限定おまけ付き】

最高の「旅の体験」をそっくりそのままデータでお届け。それが「無名旅行人」のお仕事! 悲劇の大草原や、熱く揺れる魔女祭り……ポンコツ先輩としっかり後輩が織りなす無名旅行人女子2人旅、依頼人の声に応えて世界中を繋げてみせます!

旅に出るのは僕じゃない

妙にリアルな近未来ウィズコロナ #1巻応援

旅に出るのは僕じゃない いけだたかし
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

まさかの「204X年まで続くコロナ禍」という世界観は、枠組みから細部に至るまで徹底していて驚く。 技術が進んでいたり、変わらない伝統があったりという世界各国の楽しさを、明るい絵柄でたくさん描きつつシリアスな内容も多い。 例えば「日本人を嫌うベトナム人」という描写がある。技能実習生の問題を知っていれば「こういうことはありえる」と想像できるはずだが、何故か誰もそれを口にしない。他にもこういった「つい目を背けてしまいがちな可能性」を描き、考えさせられながら世界観に引き摺り込まれる。 奇妙にリアルで楽しいけれどシリアスな近未来を、主人公と共に旅行する。そこには創作物にしかできない、心を動かす実感がある。 VR旅行のための「体験」データを集めてまわる主人公の青年。彼の旅に強い印象と深みを与えるのは、各地で出会う女性たち。その出会いは彼にとっても女性たちにとっても、忘れたくない重要さを持つはずなのだが……。 旅の記憶を保持できない主人公の特性が、これらの出会いをより強く、切なく印象付ける。これらの旅は一つひとつバラバラに見えるが、今後もそうなのだろうか、それともこの先……?

旅に出るのは僕じゃない

近未来の世界旅行 #1巻応援

旅に出るのは僕じゃない いけだたかし
兎来栄寿
兎来栄寿

昔、PS1の『MYST』、『RIVEN』や『ワールドツアーコンダクター』といったゲームをプレイしながら「世界中をリアルな3D映像で自由に巡れるゲームがあったら良いな」と思いました。何なら、他にやらない人がいれば将来自分で作ってみたいと思ったほどです。 しかし、2006年にはGoogle earth日本語版が出現、その後street viewも登場し革命が起きました。今では当たり前のことで普通に使われていますが、最初に触ったときの感動の大きさは今でも覚えています。そして、近年でもたまにエズの街を散策したり、マチュピチュを遊歩したりします。果たして、私は満足してその道に進むことはなくなりました。 本作は、コロナウイルスが変異して世界中でまだ蔓延している2040年前後の近未来が舞台。VR技術が発達して、リアルな質感や匂い、温度などを感じる旅行を自宅で楽しめるようになった時代の物語です。 人々に仮想空間での旅行体験を提供するため、その元データとなる「旅の体験」を収集する新しい仕事が「無名旅行人」。その新時代の職務を背負う青年が、1話ごとにいろいろな国を巡る様子が描かれていきます。 ソーラーパネルが敷き詰められたパルテノン神殿前であったり、そこかしこにドローンが飛び交うセントラルパークであったり、その他の近未来ガジェット(翻訳機の設定なども凝っていて楽しい)が溢れている、世界各国の名所を眺めているだけで楽しいです。表紙も一生に一回は行きたいと思っていたギリシャのサントリーニ島っぽい景色で、思わず惹かれてしまいました。 時代が経っても変わらない名所や各国のグルメもいいのですが、旅の最大の魅力は「人との出逢い」だなあと感じます。私自身の海外旅行を思い返してみても、その土地その土地で出逢った優しい人達(あるいは犬や猫たち)との思い出が強く残っているのを思い起こされました。その部分がしっかりと描かれているのが好きです。 近未来の海外旅行を楽しんでみたい方にお薦めです。