「今の愛に生きたいの。今だけでいい…愛する人といたいの」政治利用される諦念の美女が、ヤクザの男と惹かれ合い、悲恋の物語を紡いでいく――出会ったのは早咲きの桜が淡色に咲き乱れている季節。男は、地域一帯を取り仕切っている組長。女は、現役大臣との婚姻を控えた議員の娘。生きる世界の違い、身分違いのふたりは運命に導かれるように求め合った。愛を寸分も理解できなかった組長の男は、不器用に恋を知り、政略結婚をさせられる議員の娘も、最初で最後の愛に溺れていき――「離ればなれになろうと、どうなろうと、生涯お前だけだ」心身ともに最愛の恋人を刻みつけていくふたりだったが…。