あらすじ

文学を軸に言葉を交わし、八千代の掲げる目標を知った志方。彼女にならい文学を学ぼうとしたその時、志方はとある署名を求められる――。「これを…八千代樹利への処分に関する意見書です」 学生と教員。それぞれの立場と想いがぶつかり合うなかで、志方が叫ぶ『大学のあるべき姿』とは!? 大学の闇に立ち向かう緊迫の智略劇、第六巻!!
アカデミックSOS 1巻
研究成果と論文執筆ばかりに固執していた大学院生・志方智和は、後輩・中丸まどかとの出会い、交流を通じて、純粋に研究を楽しむ心を取り戻す。しかし、かけがえのない友となった中丸は、ある日突然、自ら命を絶ってしまう… 自殺の裏に垣間見える隠蔽の影―― 友の死の真相を暴くため、志方はアカハラ、不祥事、隠蔽が蔓延する大学の闇に切り込んでいく!!
アカデミックSOS 2巻
不審死を遂げた友の死の真相を暴くため、志方智和は海外で研鑽を積み「特任助教」として母校に舞い戻った! 当時の関係者に内部から近づき、事件の真相を探ろうと画策していた矢先、教授からの「セクハラ」に悩む女学生に出会う。セクハラがトラウマとなり苦しむ女学生に重なる、亡き友の影―― 今、志方の目に熱い炎が宿る! 大学の闇に立ち向かう緊迫の智略劇、第二巻!!
アカデミックSOS 3巻
友の死の真相を暴くにはある男に近づかなければならない―― そのための考えがまとまらない中、志方智和は一人の追い詰められた様子の学生を目にする。大丈夫だという言葉に反し、憔悴した学生の表情は不審死を遂げた友人のそれと同じものだった―― 「もう二度とあんな思いはしない!!」パワハラに悩む学生のために志方は奔走する! 大学の闇に立ち向かう緊迫の智略劇、第三巻!!
アカデミックSOS 4巻
vs.パワハラ教授との直接対決!! 教授からのパワハラに悩む学生に、手を差し伸べた志方。しかし、彼の下に訪れたのは、パワハラを行った富津教授で!? 富津の語る「研究」と「指導」に、志方がぶつける思いとは? さらにこの事件により志方は研究課長からある言葉を告げられる! 「きみは…大学にいられなくなるかもしれないぞ!!」 大学の闇に立ち向かう緊迫の智略劇、第4巻!!
アカデミックSOS 5巻
富津と学生達か、それともイノ研か。どちらかを選べばもう一方は選べない。副学長に追い詰められていた志方の前に、一つの言葉がかけられる。「その二者択一は本当に正しいのかな?」 光明を見た志方が導き出した答えは富津も企業も巻き込み、英東大学を大きく揺るがす!! 大学の闇に立ち向かう緊迫の智略劇、第五巻!!
アカデミックSOS 6巻
文学を軸に言葉を交わし、八千代の掲げる目標を知った志方。彼女にならい文学を学ぼうとしたその時、志方はとある署名を求められる――。「これを…八千代樹利への処分に関する意見書です」 学生と教員。それぞれの立場と想いがぶつかり合うなかで、志方が叫ぶ『大学のあるべき姿』とは!? 大学の闇に立ち向かう緊迫の智略劇、第六巻!!
アカデミックSOS

最高学府の闇に抗うサスペンス #1巻応援

アカデミックSOS まつかわ
兎来栄寿
兎来栄寿
大学を舞台にした作品は数多くありますが、大学というアカデミックな場で現実的に起こっているリアルな問題をメインテーマとして扱っている作品は珍しいです。 本作では、大学の金銭的な問題や歪なパワーバランスによって生まれる闇の部分が描かれます。最高学府といえども、経営や研究を維持していくためには先立つものが絶対に必要です。そして、大学における研究はときに莫大な富を生む原動力となります。そこで動く金額の大きさやそれに付随する諸々は、望まずとも腐敗を招く要因となり得ます。また、閉鎖的な世界では一部の者の権利が不当に強くなることがままあります。そして、普通では有り得ないことも起こってしまい、あまつさえそれが闇の中に葬られてしまうことも。 そうした闇に対して、主人公が立ち向かうという構図はシンプルで共感しやすくなっています。大学というピンポイントな場所での出来事を扱ってはいますが、似たようなことは世界でたくさん起こっており、またこの作品で苦しんでいる人と同じ苦しみを持つ人もたくさんいることでしょう。「アカデミックハラスメント」というと難しそうと感じるかもしれませんが、多くの人にとっては想像以上に解りやすいエンターテインメントとして楽しめるはずです。 この作品の最大の美点は何よりも非常にテンポが良いことです。第1話からその良さが存分に出ているので、まず1話だけでも読んでみてください。1話で大きな目標が掲げられるのですが、そこで強く主人公に感情移入させられることで話に乗っていけます。サクサクと話が進んでいくのですが、しっかりと1話ごとに見せ場も強い引きも作られていて素直に「面白い!」と思える作品です。 実写ドラマ化なども非常にやりやすく映えるでしょう。作画こそまだ初々しさが出ていますが、キャラクターの魅力やマンガ力などもっと大事な部分の力量を感じる作者さんですので、今後も楽しみです。