あらすじ

福島での復興ボランティアが、四人それぞれの心に、強く“何か”を与えた。それは仏の道、己の道を真摯に考える一助となり、四人の道が―― 動き始める。季節は秋に入り、学びの時間も後半を迎え、「普通の人」だった男、藤井善行が歩む、僧侶への道が、鮮やかに浮かび上がってゆく。清楚な女性・灯への思慕も、ほのかな恋として意識されてゆく。
月をさすゆび(1)

38歳、独身、カメラマン――― デジタルカメラの台頭と共に、彼の仕事は確実に少なくなっていた。そんな折、叔母から進められたのは僧侶になる専門学校に通うことだった!! 「たった一年、夜間の専門学校に通うだけでいいんだから!」甘い誘いに乗り、関東仏教学院に向かった彼が出会ったのは…!?

月をさすゆび(2)

夏、学生達は北へ―― 被災地へ!! 一年間、仏教の学校に通うだけで僧侶の資格を得ることができる―― 関東仏教学院に通い始めた藤井善行は夏休みに、同級生から誘われて、東北の被災地へとボランティアに向かう!!

月をさすゆび(3)

福島での復興ボランティアが、四人それぞれの心に、強く“何か”を与えた。それは仏の道、己の道を真摯に考える一助となり、四人の道が―― 動き始める。季節は秋に入り、学びの時間も後半を迎え、「普通の人」だった男、藤井善行が歩む、僧侶への道が、鮮やかに浮かび上がってゆく。清楚な女性・灯への思慕も、ほのかな恋として意識されてゆく。

月をさすゆび(4)

春から始まった僧侶への道は、いよいよ冬を迎え、藤井善行が僧侶となるための1年という時間も終盤に入る。学ぶこと、そして「僧侶」となる自分に対峙しながら、ひとりの女性・日野灯との縁を感じ、思う。自らの足下を踏みしめながら、月を、ゆびさすさきを、信じて進む。