あらすじ

アンコール杯準決勝2回戦目、元グリーン・ベレーのティム・ローレンスと謎の組織の“指導者”との戦いは、いよいよクライマックス!地雷を雨のようにバラ撒き、遺跡もろとも指導者を消滅させようとするティムの無情な攻撃ラッシュ。すべてかわしたかに見えた指導者、しかし背後からは機械の足が!
コムニスムス(1)終わりと始まり

1973年、ベトナム戦争終結。ピュリッツァ賞を目指す戦場カメラマンのヒカル・コンデは、南ベトナムから今度はカンボジアに流れ着く。森の中で謎の武装集団に襲われたヒカルの前に現れたのは、武器を持った2歳の幼女だった。

コムニスムス(2)ここに戦争はあった

圧倒的な戦闘力を持つ謎の2歳児プティに命を救われたヒカル。彼女を安全な街まで送り届けることにしたものの、サバイバル生活をしながらカンボジアの森をさまようハメに。そんなある日、プティが地雷原に足を踏み入れてしまう!

コムニスムス(3)雇用

ヒカルとプティが迷い込んだのは大量の地雷が埋められた危険な輸送ルートだった。立ちすくむプティの前に現れたバオと名乗る少年は、いきなり地雷を踏んで足を吹っ飛ばされてしまう……ヒカル、プティ、バオの運命は!?

コムニスムス(4)居合わせる運

バオに新しい足を作ってあげたヒカルは、スナイパーの腕と器用さを買われ、用心棒としてバオに雇われる。バオに導かれ、首都プノンペンへ向かう途中、財産も家族も棄てて戦う謎の勢力についての話を聞かされるが……。

コムニスムス(5)経験と知識

カンボジアの首都プノンペンの街にたどり着いたヒカル、プティ、バオ一行。街にはバオの顔見知りの老人がいた。一見、平和そうな街の様子に安心する3人の背後に怪しい影が……。

コムニスムス(6)所有せざる人々

突然、マーラという謎キャラに襲われフルボッコにされるバオ。街中でライフルを使うわけにいかず追いつめられるヒカルのまえに、戦闘態勢のプティが飛び込んでくる。激しい戦闘の末、マーラは“謎の勢力”のメンバーだと告白するが……。

コムニスムス(7)首都陥落

政府軍にマーラと一緒に捕えられてしまったヒカルたち。そこにマーラが属する革命勢力が突入してくる。各々の“無”を武力にした「所有せざる人々」と呼ばれる7人は圧倒的な力で政府軍を壊滅させていく。それはまるで……。

コムニスムス(8)無人の都市

カンボジアの首都プノンペンは反政府組織の襲撃によって陥落。バオは祖母とともに南ベトナムで暮らす妹のニューに連絡を取るが、ニューたちもまたサイゴン陥落寸前の戦火の中にいた。首都を離れようと提案するバオ。そんな中ヒカル、プティが遭遇したのは「所有せざる人々」と呼ばれる指導者だった!

コムニスムス(9)誰もが戦争を待っている

組織を率いる指導者の「仲間になろう」という誘いを断り、プノンペンを後にベトナムを目指す一行。道中、ヒカルはプティと「家族写真」を撮りたいと言い、バオにシャッターを切らせる。そんなヒカルに誰かが照準を定めている。アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真に宿る「決定的瞬間」。そのときのヒカルはその真意に思いを巡らせていた。

コムニスムス(10)無学

指導者に選ばれた「所有せざる人々」のひとりナラシンハ。彼の標的となったヒカル。プティ、バオに対しても銃弾を浴びせ、獣のように獲物を狙い続けるナラシンハの心中に去来するのは、持たざるがゆえに彼の元を去った子供たち。獣は吠える「何が父親だ」。そのとき、ヒカルが動いた!

コムニスムス(11)蛇の記憶

一人になったプティの前に現れた巨大ヘビのような身体を持つ「所有せざる人々」、ヴァースキ。必死で応戦するが、ヘビの特異体質によって攻撃を無効化され、プティ絶体絶命。そこへ駆け付けたバオが会心の一撃! ヴァースキを仕留めたかに思えたが……。

コムニスムス(12)土に還る

銃弾、蹴り、刃、どんな攻撃も無効化する、巨大蛇のようなヴァースキに打つ手のないヒカルたち。勝機が見えない中、プティがとったヴァースキへの本能的な行動が戦いの流れを揺り動かす。そんなヒカルたちの戦いの様子を遠くから監視していたのは「所有せざる人々」デヴァター。残る刺客ハヌマーンズ、クールマ、マーラたちに思いを巡らせながら、指導者の元へと向かう。

コムニスムス(13)四等分

”所有せざる人々”のメンバー“ザ・ハヌマーンズ”は、4ピースのロックンロールバンド。彼らに拉致られたプティだが、彼らの路上ライブにノリノリ。そんな様子をスナイパーの目線で捉えたヒカルは、例のごとく”決定的瞬間”を狙う。しかし、そのバイブスに翻弄されるかのように銃弾が!!

コムニスムス(14)世界を揺らそう

ヒカルが放った弾丸は、ハヌマーンズの演奏を増幅するサウンドシステムの振動によって弾かれてしまう。鉄壁の音響防御を破る術が見つからないヒカル。そこへ颯爽と駆けつけたバオ。ハヌマーンズvsバオのセッションバトルが荒野に鳴り響く。

コムニスムス(15)国境まであと少し

戦いの中で和解を得たハヌマーンズとヒカルたちの前に現れたのは、指導者をより深く信奉する“所有せざる人々”デヴァター。穏やかな空気を切り裂くようにハヌマーンズへの非情な「粛清」を開始する。やがてその憎しみの魔手は、指導者を惑わす存在であるプティへ向けられる。

コムニスムス(16)三千大千世界

ベトナムの国境へと走るヒカルとプティとその場に留まるバオ。“所有せざる人々”の思想を操るデヴァターとの対決を待ちながらバオは孤児として生き抜いてきた18年を振り返る。一方ヒカルたちの前に立ちはだかったのは覚醒したハヌマーンズ。バオvsデヴァター、ヒカルvsハヌマーンズ同時開戦!

コムニスムス(17)瞳を閉じて

ハヌマーンズとの戦いでヒカルに残された銃弾はひとつ。奇跡を信じ放った銃弾は虚しくも外れてしまうが、その反動から思いがけない決着を迎える。一方、デヴァターの術にかかり深層世界を漂うバオ。そのとき、長い戦争の終わり告げる祝砲が上がった。

コムニスムス(18)共産主義の勝利

ついに国境に辿り着いたヒカルとプティをデヴァターの魔手が襲う。秘儀「天女の舞い」に幾度も痛めつけられ、生命力を失っていくプティ。強烈な無力感に締め付けられるヒカル。「何もできない…父親なのに」。心の叫びが、ヒカルに最後の奇策を示す。そして……。『コムニスムス』第一部・ついに完結!!!

コムニスムス(19)少し退屈

革命による大混乱のさなか、瀕死のプティは、バオの妹で実業家・ニューの援助で一命を取り留めた。退院の日、待っていたのはプティの“バッバ”。「まだまだ修行(レッスン)が足りない」と回復半ばのひ孫を攻撃。変わることを求める世界。その頃、指導者が呟いた一言にデヴァターは微笑む。『コムニスムス』第二部・開幕。

コムニスムス(20)おばけやしき

“おばけやしき”と呼ばれる解放区に連行されてきたバオ。朽ち果てた地で待ちうけていたのは「所有せざる人々」の幹部マーラとその側近マーラドールズ。一方、旧正月で賑わうベトナム。ヒカルは記念写真を売り歩くが上手くいかず、プティはバッバによる修行の中で、新たな戦いに向けた“何か”を体得し始めていた……。

コムニスムス(21)誕生日

修行に励む日々を送るプティ。「父親(ちゃん)」と無邪気に呼んでくる3歳児を、我が子のように甲斐甲斐しくお世話するヒカル。そんな二人の姿を眺めながら、プティの出生の秘密を語り出すおばあちゃん。束の間の日常の裏側では、「所有せざる人々」主催の世界的バトル大会が、ついに幕を開けようとしていた。

コムニスムス(22)開幕

「所有せざる人々」主催の「アンコール杯(カップ)」がいよいよ開幕した。武器の使用、参加人数は自由。戦闘不能または死亡で勝敗。ヒカルとプティは、ニュー率いる南ベトナム代表「メイク・マネーズ」のメンバーとしてトーナメントバトルに参戦することに。対するは北ベトナム代表 「ハノイ・ロックス」。父親として先鋒を買って出るヒカルだが…。

コムニスムス(23)鎌と鉄槌

「アンコール杯(カップ)」Aブロックの第2試合は「レッド・ガーズ」VS「ザ・S-21’s」。トーナメント参加者としてカンボジア潜入に成功したニューの目的は行方知れずのバオ。過激さで引けをとらない両チームに戦慄しつつ、兄の身を案じる。ニューは呟く「結局のところ、徹底した思想はどちらにせよ暴力を加速させる」。

コムニスムス(24)負けるが勝ち

「アンコール杯(カップ)」第2試合。試合開始早々の瞬殺でメンバー2人が戦闘不能に。「S‐21’s」の容赦ない攻めに追いこまれた「レッド・ガーズ」。武器を破壊され、勝負ありか?というところで「レッド・ガーズ」のリーダーが意外な行動に……。

コムニスムス(25)亀の甲羅

「アンコール杯(カップ)」はBブロックに進み、「オールド・ピープル」を代表する大亀のクールマが登場。対するのは素性不明のチーム「スパイダー・フロム・マーズ」。巨大な蜘蛛の手足から放たれるティム・ローレンスの機関銃並みの猛攻に、ただ立ち尽くすだけのクールマに勝機はあるのか?

コムニスムス(26)戦争は終わらない

アンコール杯(カップ)」第3試合。大亀クールマの反撃により体制は逆転。鉄壁と思えるクールマの圧倒的な防御力に、巨大蜘蛛ティム・ローレンスになすすべはあるのか……?絶望的な状況のなか、ティムは3年前の壮絶な体験に思いを馳せる。いまなお彼を突き動かすチカラとは?

コムニスムス(27)名探偵

「アンコール杯(カップ)」1回戦最後の試合では、いよいよコムニスムスの“指導者”と“ディヴァター”が登場。対するは想像上国家の住人“ヌートピアンズ”。試合開始直後、ヌートピアンズの二人は武器になるとは思えない意外なものを持ち込む。それはある意味、最終兵器だった…。

コムニスムス(28)三歳児

「アンコール杯(カップ)」の準決勝が始まった。残るは4組、初戦はメイク・マネーズとS-21’s の対決。壁のような巨体のクールマを瞬殺するプティ。そんな娘の勝利を素直に喜べないヒカルの胸中とは?

コムニスムス(29)嫌な仕事

「アンコール杯(カップ)」の準決勝、プティと対峙するフクメン選手は葛藤していた。自分に不条理な仕事を強いてきた「指導者」とはいったい何者なのか?一瞬の静寂、フクメンが大きく動く、その、刃の先には……「指導者」が!!!

コムニスムス(30)技術と野蛮

アンコール杯準決勝の第2戦が開始された。謎の組織の“指導者”VS元グリーン・ベレーのティム・ローレンス。身長、体重、体格はほぼ同クラス。双方、一歩も譲らない肉弾戦。機械VS生身、勝つのは、科学(テクノロジー)か野蛮(サベージ)か。