昭和11年2月26日未明、青年将校らによるクーデターが勃発。いわゆる二・二六事件である。決起当日の朝、娼家にて寝過ごし遅参した猪野矢一郎少尉だったが、遅刻者があったと認めるは後世までの恥、と見方から射撃され戦線に入れず。その後の戦況を知り、死に場所を求めて彷徨する矢一郎は、スペイン公使館に保護され、自決を制止されるーー。そして、時あたかも共和政府とフランコ軍との内乱のさなか、国内が戦場と化すスペインへとおもむく…!! 小池一夫らしい雄大なロマンとドラマチックさに溢れる哀国譚! 「週刊プレイボーイ(集英社)」1987~95年掲載作品。
「爆撃日和(1)」西空軍に所属した矢一郎。モラ将軍と共に独空軍基地に赴くが、独中佐の護衛として飛行中、敵ソ連機に遭遇!
「爆撃日和(2)」サンチャゴを弔い、決意を新たにした矢一郎。その遺志を伝えるべく、フランコ将軍の元へ戻るのだが……?
「魂の画布(キャンバス)」死を賭し、独軍による爆撃をゲルニカの民に叫ぶ矢一郎。しかし時、既に遅く、悲劇の幕は開く……!