あらすじ

アラフォー、バツイチで実家に帰省してきた朝子と、留学先から家業を継ぐためにピアノを断念し、帰国した千尋。昔、夏祭りの夜にほんの少しだけ交差した2人のこれまでの挫折と歩みが、いま再び音楽として重なり、奏でられ始める――。アラフォー×吹奏楽マンガ、初めてのデュオ!
朝子のムジカ!!【電子単行本】 1巻
夫と離婚して故郷に帰ってきた五來朝子は、やりたいことを見失い、どこか居心地の悪い日々。昔、一生懸命打ち込んだ吹奏楽部時代のトロンボーンを見つけ、河原でひとり吹き始める。ある日、中学の吹奏楽部時代からの友人であるおーちゃん、マキに離婚の報告をしていたところ、やけに自分を睨む無愛想な青年・千尋に出会う。ピアノでベルリンに留学までした千尋は、実家の旅館を継ぐためにピアノを断念した過去を持っていた……。2人の不器用なメロディーが、少しずつ交わり始める……!!
朝子のムジカ!!【電子単行本】 2巻
アラフォー、バツイチで実家に帰省してきた朝子と、留学先から家業を継ぐためにピアノを断念し、帰国した千尋。昔、夏祭りの夜にほんの少しだけ交差した2人のこれまでの挫折と歩みが、いま再び音楽として重なり、奏でられ始める――。アラフォー×吹奏楽マンガ、初めてのデュオ!
朝子のムジカ!!【電子単行本】 3巻
元夫・悟の来襲や、千尋の大遅刻などの困難を乗り越えて、もう一度大好きな音楽を通じて「夢中になることの楽しさ」を強く実感した朝子。本番の演奏を無事に終えて、朝子には「もっと音楽をやりたい」という強い気持ちが心に残った――。
朝子のムジカ!!【電子単行本】
すんなり行かない人生だからこそ。 #1巻応援
朝子のムジカ!! 和田フミエ
兎来栄寿
兎来栄寿
中年女性主人公の名作がまたひとつ。 40歳にして4,5年の結婚生活に終止符を打って東京から何もない地元に戻ってくるも、新しい職はなかなか見付からず自身の調子や周囲の人間模様などさまざまなところで加齢の影響を感じずにはいられない主人公の朝子。昔すごく好きで楽しく吹いていたトロンボーンも、今では全然吹けなくなってしまっていました。 高校生までずっと委員長を続けてきて、部活も勉強も仕事もとにかく真面目にやり抜いてきた朝子。自分の存在を軽んじられても思わず作り笑いで濁してしまったり、無思慮な言葉に傷つけられる朝子に共感を覚える方も多いでしょう(田舎の悪い部分のリアルさも巧み)。 そんな朝子が「それでも本当に好きなもの」を支えに前に歩んでいく姿には、ポジティブなエネルギーを貰えます。人生の選択で迷った際は心が踊る方にすべきだし、本当に大切にすべきは自分の「好き」という気持ちであるなど大事なことを物語で示してくれます。 朝子に厳しく当たる青年の過去のエピソードに起因する関係性や、朝子との立ち位置のコントラストも秀逸です。すんなりと生きていない人だからこそ、誰かを勇気付けられることもあるんですよね。 令和3年のデータによると男の平均寿命は 81.47 年、女の平均寿命は87.57年。つまり、40歳というのは平均してまだまだ人生の半分にも満たないわけで、ここからまだまだ長い旅路が続いていくわけです。 丁度10月は『あした死ぬには、』の最終巻も出ましたが、この年代が主役の面白い作品はこれからますます需要が増していくと思いますし、これからの時代にますます価値を放つ一作だと思います。実写化にも向いていそうですね。