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御影と巴は理由あって二人姉妹の二人暮らし。朝起きて首輪がつけられてたって日常茶飯事…ではないけれど、勉強と友達(曲者多し)と手作りご飯にまみれてすごしてる。お姉ちゃんだから自分のものにしたいのか、妹だから身が焦がれるほどに心配なのか、健全だけど不健全な小川麻衣子の描く新境地インモラルストーリー第1巻。
御影と巴は理由あって二人姉妹の二人暮らし。朝起きて首輪がつけられてたって日常茶飯事…ではないけれど、勉強と友達(曲者多し)と手作りご飯にまみれてすごしてる。お姉ちゃんだから自分のものにしたいのか、妹だから身が焦がれるほどに心配なのか、健全だけど不健全な小川麻衣子の描く新境地インモラルストーリー第1巻。
高1の妹が、高3の姉に首輪をつけて束縛する……そんな始まりのこの物語は、常に幾らかの息苦しさを纏っている。 母を失って「壊れた」家庭で、大切だった家族の関係を妹との間だけでも守ろうとする姉。姉に家族以上の感情を抱いてしまった妹は、気持ちをぶつけ、姉を翻弄する。 好きって何? 女の子同士で? 家族だから何? 疑問符だらけの中を、二人は迷走する。 互いが大切なのに、自分の「大切」の形を守ろうとして、却って互いを縛り、傷付けていく姉妹……二人の張り詰めた心に、重い痛みを覚える。 更に両者とも、友人関係にもこの息苦しさは形を変えて現れ、一筋縄ではいかない重い物語のバリエーションが展開される。最後まで息継ぎをする瞬間は、無い。 この息苦しさを救うのは、小川麻衣子先生の流麗ですっきりとした、軽みのある絵。優しさと、どこか重力を感じさせない浮遊感が、タイトルの様に「水中の夢」を見ているのでは?という気にさせる。 この作品が「夢」なのだとしたら、読み終わった時に、私達は夢から醒める。心の痛みと、纏わり付く甘く息苦しい感情を思い出しながらも、少しずつ、忘れていく。 また思い出す為に、手に取るに違いない。