あらすじ19世紀初頭――突如、長崎沖に現れたイギリスの軍艦・フェートン号。日本を揺るがしたこの史実の裏には、知られざる怪異たちの暗躍があった! フェートン号の襲来により混乱を極める長崎。この混乱に乗じて市井に潜む吸血鬼たちは反旗を翻す。長崎を足掛かりに吸血鬼の国を築こうとしていたのだ。ヒトと共存していくことを望む菊花太夫、ただ愛する者を守りたいと願う雛あられ、清、こもれび。それぞれの理想が絡み合う中、運命はどんな結末をもたらすのか!? 妖の長崎怪異記、堂々完結!
舞台は19世紀初頭、鎖国中の日本において唯一、出島での貿易により異国との接触があった長崎の町。 この町には人やモノに紛れ、異国から“人ならざる怪異”が入り込んでいました。 この作品はそんな怪異たちから長崎の町を人知れず守る、丸山遊郭の遊女・菊花太夫と「かむろ(禿)」と呼ばれる遊女見習いの幼女3人、そして奉行所付の隠密同心である相模壮次郎の活躍を描く作品です。 江戸時代の長崎が舞台ということで、美しい和装や刀による戦闘に加えて異国から入り込んだ西洋の怪異や銃などの武器の登場と、和洋それぞれの文化が入り混じった独特の世界観が構築されていて、それを作画コストの高い緻密な絵柄で描いていく作品です さらに 物語が進むにつれて、怪異との戦闘では協力体制にある菊花太夫たちと壮次郎との微妙な関係性や、菊花太夫を純粋に慕っているように見える3人のかむろが抱える因縁など、ストーリーにもどんどん深みが出てきて、読み進めるごとに面白さが見えてくる、そんな作品です。 1巻まで読了