運命の番なんて必要ないと思ってた…一年中、人獣たちの発情フェロモンが漂う春の国。男娼専門遊郭・縁夜市で稼ぎ頭の宵藤は、セックスも着飾る事も好きなため、男娼を天職だと思っていた。男娼の中には「運命の番」が現れて、いつか身請けされることを夢見る者もいたが、宵藤は店のため、仲間のためにもよりいっそう稼ごうと張り切っている。しかし、そんな宵藤が唯一気になるのが、昔から旅商人として店へ品物を卸してくれるツァーレだった。なかなか素直になることができない宵藤だが、ある日、ツァーレから抗いがたい匂いを感じ――。