あらすじ

“時をかける極道”が江戸時代で出会ったのは――!?流刑島にやって来た奉行所の目付役・玄場が案ずる巨額の小判の行方…!!純粋な少女・おきくが人質となり、嵐児たちは噴火の止まらぬ美原山に向うことに…!!玄場の元に残ったおきくに邪悪な危険が迫りくる!!嵐児は彼女を救うことが出来るのか――…!?巨匠が描く新境地!圧倒的画力で描く妖艶男気時代劇!!
霧島嵐児 1巻

時代を超え、男が“今”を生きる…!!絶対的存在だった兄貴を亡くし、生きる希望を失った…。嵐児は復讐を誓い、仇である黒咲の元へ一人乗り込んでいくが事故に遭って――。目覚めると目の前にあったのは!?一度は死を覚悟した男が、時空を越えて大暴れ!!

霧島嵐児 2巻

“時をかける極道”が江戸時代で出会ったのは――!?流刑島にやって来た奉行所の目付役・玄場が案ずる巨額の小判の行方…!!純粋な少女・おきくが人質となり、嵐児たちは噴火の止まらぬ美原山に向うことに…!!玄場の元に残ったおきくに邪悪な危険が迫りくる!!嵐児は彼女を救うことが出来るのか――…!?巨匠が描く新境地!圧倒的画力で描く妖艶男気時代劇!!

霧島嵐児 3巻

現代から江戸の流刑島にタイムスリップした極道者、霧島嵐児。時の流れに抗い少女を救うべく、流刑島を支配する邪悪なる男を切らんとす!権力に狂い、色に狂った危険なる男・玄場。島中の美女を薬漬けにして攫い、密かに集めた快楽の館を作りあげた男に陵辱されんとする少女・おきく。今は亡き妹に似た、おきくと心通わせ、助け出した嵐児は、また現代に飛ばされた。次は、敵対する勢力に殺された尊敬する兄貴分・白州を助けるべく、同じ時代を生き直す嵐児の前に現れた黒幕の正体とは…!?ここに堂々完結!!

霧島嵐児

ジェットコースター気分が味わえる傑作

霧島嵐児 かざま鋭二
完兀
完兀

この漫画、まず読んでいて非常に振り回される。先が読めない物語進行でありながら、短期的ゴールや障害が次々と現れる。そして倫理観の欠如を蛮勇と脊髄反射的情動で補填した主人公の嵐児はそれらを痛快に乗り越えていく。 その展開の体感速度も尋常ではない。読者が劇中で起こっている事態を飲み込みきる前に嵐児と物語は先へ進んでいく。あまりの超展開に思考が停止しそうになってもおかまいなしである。 しかも「ようやく飲み込めてきた。一息つけそうだな」と思ったあたりで読者を強烈に振り回してくる。つまりこの漫画で読者に心休まる時はない。恐らく作者はこの点に関してだけ注意を払っている。 そのうえで漫画から拒絶されるような置いてけぼりは喰らわないのがこの漫画の妙味である。 むしろこの漫画は、その無駄に迫力ある絵と直球165km/hどストレート頭部死球的人物描写の魅力で読者をガッチリとホールドし、落伍者を生み出さない心地よくも恐るべき魅力で満ち溢れている。(脱落する人は、この漫画に愛想を尽かして自発的に逃げ出すか、読んでて体力が持たないかのどちらかだろう) こんな漫画と出会った時、人はどうなるのか。笑うしかない。 細かいことはどうでもいいから、ただ読んで感じた面白さをストレートに笑いに変換するしかなくなる。 絶叫マシンに乗り込んでその速度とGから強制的に脳内麻薬を分泌され、展開に身を任せつつも冷静になるのを惜しむように自ずから楽しむような感覚が近い。読後感もジェットコースターと同じだ。 こんな感覚、他の漫画では到底味わえない。少しでも興味をお持ちなら是非読んで欲しい漫画だ。