人魚に涙は似合わない~求愛の海~

人魚に涙は似合わない~求愛の海~

人魚姫のお話、おしまい。――ねぇ、どうして王子様は自分を助けた人を間違えたの? ■クルーズ船専門の旅行代理店社員・北村美由紀(みゆき)は、社長の門倉浩一郎と恋人関係にあったが、二人の気持ちには微妙なすれ違いが生じつつあった。そんな折、営業成績ナンバーワンの美由紀は浩一郎とともに、アドリア海のクルーズ船視察に出かける。ところが乗船した人気クルーズ船で、思いもかけない火災事故が発生。海に転落した浩一郎を助けようと、美由紀も海に飛び込んで必死に救出したが、助けたのは船に乗り込んでいた浩一郎の幼馴染の女性(恭子)ということに話はすり替えられていた。そして、帰国後に浩一郎と恭子は結婚。失意の美由紀は、視察旅行中に再会したファビオにスカウトされ、クルーズ船会社に転職して再起をめざした…。
ばら咲きジュリアンの花のように

ばら咲きジュリアンの花のように

就活全敗女子と負け犬ハリウッドスターの“運命の愛”■私が彼を忘れられないのは、きっと彼が自分にとって初めての男性だったからだろう。誰にも知られたくない秘密を、彼と共有したあの夜──自分の中でずっと眠っていた女を目覚めさせたのは、彼の唇、舌、そして指先だった。誰にも触れさせたことのない場所を、初めて味わった男も彼だった。彼を体内で感じたあの瞬間、私は大人の女になった。彼が私の中で果てた時、このまま死んでも構わないと感じた。そして二人の間に生まれた情熱は、やがて小さな実りを残し永遠になった。
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