戦乱の末、国主の弟である政尚は、敵国の国主・康治に囚われた。脆弱な己を不甲斐なく思う政尚は、幼い頃親しかった康治の慈悲に縋って侍り、敵情を探ろうとしたのだ。俘囚となることを覚悟していた政尚を、康治は恋う姫へするかのように優しく遇する。ならばと肌を許すが、身体を繋げて真の想いを知る度に、心までも繋がれるようで切なさが募っていく。だが、敵将である康治を求めるのは国への裏切り。苦悩しつつも、責務を果たそうとする政尚だったが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。