あらすじ

珍しく風邪で寝込んでいるという瀬越を看病したいと申し出た創。そこで、熱に浮かされてせいにして瀬越がようやく口にできた、心の底からの望みを知る――。高野も瀬越も傷つけず、どちらにとっても最上の結果を導き出したい創は、考えに考え、高野に相談を持ち掛ける。(「金平糖の海」)病院付属の図書室に司書として勤める関家は、アルバイトの大学生・高野と、この図書室をよく利用する外科医・瀬越の会話を聞く。(「おまもり」)ほか、書き下ろし短編を収録。夜空にきらめく星々のような、「沈まぬ夜の小舟」後日譚集。
【電子限定おまけ付き】 沈まぬ夜の小舟 上 【イラスト付き】

【イラスト付き】 母を亡くし、居場所を失った17歳の創。新しい家族を築いて創を過去にしてしまった父にも、母の恋人だったひとにも頼れない。だから、ひとりで生きていくために自分が売れるものは何でも売ると決めた。いくつも掛け持ちしているアルバイトでは不器用でも丁寧な労働を、ときには、大して価値があるとも思えない自分の体を。そうして眠るときには薄っぺらな寝袋の小舟に乗って、夜ごと星空の航海に出かけるのだ。明日はもっといいところまでたどり着けますように――。あるきっかけから、母が入院していた病院に麻酔科医として勤める高野と、その後輩にあたる外科医の瀬越の世話になることに。けれど、絶対に知られたくない秘密と想いを抱えている創は、二人に嘘を重ね続け・・・・・・? 電子限定書き下ろしSSを収録!!

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【電子限定おまけ付き】 沈まぬ夜の小舟 下 【イラスト付き】

【イラスト付き】 ひとりで生きるために己の体すら売ってきた。明日が見えない夜にも、遠くの星に憧れるように高野先生を好きだと思うと頑張ることができた。けれど、心身を曇らせる行為とそんな自分を密かに温めてくれる想い、そのどちらも隠そうと嘘を重ね続け――あろうことか、仕事のトラブルで憔悴する瀬越先生へ抗えず体を差し出していた創。本当はとても優しい、今は弱り切ったひとにひどいことをさせて苦しめている。苦しんでほしくない。罪の意識ではち切れそうになった創は同時に、自分は高野先生に触れたい、触れてほしいのだと気づいてしまった。寄せては返す波のように止め処ない事態と感情は、創の痩せっぽちな体には収まらず溢れて・・・・・・。電子限定書き下ろしSSを収録!!

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金平糖の海 沈まぬ夜の小舟 after story

珍しく風邪で寝込んでいるという瀬越を看病したいと申し出た創。そこで、熱に浮かされてせいにして瀬越がようやく口にできた、心の底からの望みを知る――。高野も瀬越も傷つけず、どちらにとっても最上の結果を導き出したい創は、考えに考え、高野に相談を持ち掛ける。(「金平糖の海」)病院付属の図書室に司書として勤める関家は、アルバイトの大学生・高野と、この図書室をよく利用する外科医・瀬越の会話を聞く。(「おまもり」)ほか、書き下ろし短編を収録。夜空にきらめく星々のような、「沈まぬ夜の小舟」後日譚集。

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