あらすじ今日も町に響き渡る、娼婦・和泉の高らかな笑い声。唯一無二の”自由な廓”を描き上げた遊郭漫画の傑作、これにて千秋楽!多くの読者に惜しまれつつも、掲載誌の休刊に伴い未完となっていた作品が遂に完結。描きおろしのエピソードを加えた最終話はもちろん、下巻収録分は全てが初単行本化!
難波の遊女、という目の付け所がまず面白いです!遊女を描いた漫画ってたくさんありますがそれってどれも吉原ですよね。難波の遊廓は一味違うよってところをしっかり調べて描かれてるので、色んな人が杉浦日向子を彷彿とさせると言っているのも納得です。ただエロいシーンもあるので子供には見せられませんが…。個人的には春画みたいだな〜と思いました。 主人公の和泉は遊女のレベルとしては一番上にいるよりも少し下の位置にあえているような策略家で、悪知恵も働くけど憎めないキャラクターです。もう一人の主人公は和泉付きの禿・ささらちゃん。いつも和泉に振り回されていますがこの物語ではツッコミ役でもあるしっかり者です。この2人を中心とした個性豊かな登場人物達も見どころの一つとなっています。私は特に遊女屋の監督役である遣手の婆さんが好きでした。 この作品で手塚治虫文化賞新生賞受賞したにもかかわらず、これ以外に電子書籍にもなってないし、新作の情報もないのが残念です。せめて誰かにWikipediaを作ってほしい…。