あらすじ

お松を探しに七兵衛と共に吉原の門をくぐった兵馬は、怪しげな般若の面を付けた吉原惣名主「きみがてて」こと庄司甚右衛門(しょうじじんえもん)に会う。兵馬の武士としての見事な覚悟に「きみがてて」は、机竜之助と互角に戦える技、死人流の極意を伝授する―。(フルカラー作品)
大菩薩峠 第二章・竜剣(1)

兄・宇津木文之丞の仇を討つため、江戸にやって来た兵馬は、机竜之助と同じ「音無の剣」なる技を操るという高名な剣客、高柳又四郎に指導を願い出る。無欲恬淡とした高柳又四郎だが、兵馬の熱き剣魂と深い事情にその願いを聞き入れる…。一方、狂気地獄に落ちたかと思われた竜之助は、究極の剣は、究極の音にあるのではと……だが、大道無門に生きる竜之助に剣の道などあるはずもない……。

大菩薩峠 第二章・竜剣(2)

如法闇夜……真っ暗闇。魔である者、人にあらざる者、善良い心を持たぬ者は、闇を好むという…。だが、闇の中でも音は聴こえる。ある夜の増上寺。闇に浮かび上がる金剛力士像を前にして竜之助はつぶやく。「斬りてえ…」。あろうことか、飛び上がって刀を抜いた竜之助は、阿形を頭から真っ二つにしようとした。だがその刹那、とてつもない殺気が門の中から放たれた…。現れたのは「音無の剣」の達人・高柳又四郎であった……。

大菩薩峠 第二章・竜剣(3)

近藤勇と芹沢鴨の顔見知りということで幕府の警備組織・新徴組に入った机竜之助。竜之助は芹沢や近藤から、幕府と朝廷を二股にかける奸物・清川八郎の暗殺依頼を受ける。狂喜した斬殺者・竜之助は妖刀・村正を差し、土方歳三等と共に清川八郎の乗った籠を待ち伏せするが……。天と地の狭間に漂う人の業を鮮やかに描く傑作時代劇画!

大菩薩峠 第二章・竜剣(4)

狡猾な意思を持つ妖刀・村正の正体。そして竜之助を狂気に走らせる斬殺の音。それは無間地獄が鳴らす鐘の音。剣に斬られて死ぬ人の断末魔の叫びであり、その叫びこそ竜之助を魅了する「音」であった。だが、音にも「究極の音」があった……。究極の音を求めて、極悪虚無の血みどろの斬殺街道を一人行く机竜之助!

大菩薩峠 第二章・竜剣(5)

奸物、清川八郎抹殺を目論んだ土方歳三ら新徴組と共に、暗殺団一行に加わった竜之助。だが、駕籠の中の人物は清川八郎ではなく男谷清一郎、桃井春蔵などと並ぶ江戸四天王の一人・島田虎之助であった。剣豪島田虎之助の剣の前に次々と倒れていく暗殺団…。ついに、竜之助は妖刀村正を抜こうとする。だが、どうしたことか、何故か鯉口が切れない……。(フルカラー作品)

大菩薩峠 第二章・竜剣(6)

最高の断末魔の音を聴きたいと願う机竜之助は、何を血迷ったか我が子・郁太郎を斬ろうとする!そして、それだけは絶対阻止しなければと命を懸けて竜之助の前に立ちはだかる妻・お浜!その時、竜之助を探していた裏宿の七兵衛が現われる!一体どうなる?机竜之助の狂気の道はどこまで続くのか!?(フルカラー作品)

大菩薩峠 第二章・竜剣(7)

己の快楽のため、我が子、郁太郎の命を奪おうとした竜之助は、それを阻止しようとした妻・お浜を斬殺する。郁太郎は寸前のところで裏宿の七兵衛に救出されるが、竜之助の非情の剣は七兵衛に向かう。必死でかわす七兵衛の前に現われたのは、なんと、兄の仇と竜之助を探していた宇津木兵馬であった……。名刀・藤四郎吉光に導かれ、狂気の竜之助、天才盗賊・七兵衛、純情剣士・兵馬の運命の三者がついに出会う!(フルカラー作品)

大菩薩峠 第二章・竜剣(8)

新選組の内部分裂の危機に、ついに芹沢鴨を暗殺しようとする近藤勇、土方歳三、沖田総司。一方、焼け落ちた竜之助の住まいに現れた宇津木兵馬は、仇敵・机竜之助と赤児・郁太郎の行方を探していた。裏宿の七兵衛はお絹に預けたお松のことで一悶着を起こす。竜之助を探して吉原大門の前に現れた兵馬は、乞食に扮した七兵衛に出会う……。(フルカラー作品)

大菩薩峠 第二章・竜剣(9)

お松を探しに七兵衛と共に吉原の門をくぐった兵馬は、怪しげな般若の面を付けた吉原惣名主「きみがてて」こと庄司甚右衛門(しょうじじんえもん)に会う。兵馬の武士としての見事な覚悟に「きみがてて」は、机竜之助と互角に戦える技、死人流の極意を伝授する―。(フルカラー作品)