裕福な家に生まれたものの、母が亡くなり継母に育てられためぐみ。なぜか幼いころからずっと蝶が怖くて仕方なかった。父に連れられ母の墓参りのため別荘へ行くが、なぜがとても怖い。別荘は母が死にめぐみが産まれた場所だった。めぐみを嫌う祖母、そしてそこには壮絶な過去があった……心理的恐怖を描いた「蝶の墓」。田舎で暮らす小野さつきとかんなの姉妹が、おばあちゃんから村に伝わる民話的な奇妙な話を聞き、それが現実の事件につながっていく怪異譚の「ヘビおばさん」。楳図がかつて暮らした奈良県五條市や生まれ故郷の和歌山県高野町、幼少期を過ごした奈良県曽爾村などの風景と伝説が織り込まれた牧歌的要素の強い怪奇ファンタジー「山びこ姉妹」シリーズの第2弾。ある日、おかねが渕で巨大なうわばみの姿となった女性にさつきとかんな姉妹が遭遇する。ある日、友人の家に遊びに行った二人は、友人の家に新しく迎えられた継母に会い……。【巻末特別企画】横尾忠則対談! 楳図かずお自身による作品解説&解題充実。書下ろしエッセイは清水崇監督!
主人公の絵美にお屋敷は、幼いころから鏡の前で美しい自分の姿を見るのが大好きだった。だが恵美はいつも誰かからの憎しみの視線を感じながら暮らしており、ついにそれが鏡の自分であることに気が付く。さらに鏡の中の自分は鏡から抜け出し、絵美になり替わり恋人の貢君の元へ。どうやったら元に戻せるのか、恵美の悩みは続き……(「鏡」)主人公の美少女・松本あぐりは、音読中に眠りこけてしまう。夢の中では「自分がお人形になっていて、お母さんが自分にとても会いたがっている」という。小さいころに亡くなったと聞かされているお母さんだが、学校の先生たちはあぐりのねむり病の真相を探ることに――(「ねむり少女」)あや子と雪子は大の仲良しだったが、お面マニアのお爺さんに「朝霧面」と「夕霧面」をもらう。その夜、二人がそれぞれ戯れにお面を被ると――(「のろいの面」)。他「青い大きい鹿の死」を収録。