恋も仕事も、難しいことだらけ! 不幸男子・長瀬宏太の元に現れた3人の女。彼女たちの正体は、人気プロデューサーである父親のパートナーだった。ただし、ビジネスの。コミカライズ、アニメ化になんとかスタートダッシュを切らせた宏太たち。宏太たちの前に現れた映画担当者・鳴鹿結乃には因縁があって――! 「終わりよ、宏太。あんたのキャリアも、そして…」 残るメディアミックスは映画だけ! 宏太を睨みつける映画担当者、気難しすぎる映画監督、曲者たちを捻じ伏せて映画を完成させろ! エンタメ業界お仕事(&ルームシェア)ラブコメディー!
『冴えない彼女の育てかた』の丸戸史明さんと、そのコミカライズでもお馴染みの武者サブさんとのコラボレーションが再び登場しました。 帯に丸戸史明さんの代表作として稀代の名作である『WHITE ALBUM2』の名が記されているところからして期待せずにはいられなかった本作。 「100億の男」と言われる超有名プロデューサーを父に持つ主人公が、失踪した父に代わって最高のメディアミックスエンタテインメント作品を作り上げていくという大筋になっています。加えて、文芸編集者・マンガ編集者・アニメ制作会社の才媛たちとひとつ屋根の下に暮らすというラブコメ要素も混じっています。 主人公がお偉方相手に決死のプレゼンを行うシーンや、女性編集者が大物作家に対して専属の先輩編集者の牽制を受け流しながら望む原稿を書いてもらうシーンなど、ビジネスやモノづくりにおかる普遍的な困難を面白い物語として料理し、演出しています。 『WHITE ALBUM2』でも大学生の主人公が編集部で社員よりも仕事ができる有能な人材として活躍するシーンが描かれていましたが、丸戸さんはビジネスシーンを描く手腕に長けていますね。 今回はかなりライト寄りの味付けですが、作家性はそこかしこに滲み出ています。「たかがエンタメ」の件は、サイバーコネクト2の松山社長が書いた『エンターテインメントという薬』を想起しました。 武者サブさんの描く女の子も可愛く、今後も楽しみです。