あらすじ

見事Aクラス入りを果たしてペナントレースを終えたバンタムズ。だが、理由はどうあれ記者に暴力を振るってしまったサッチモ監督は、「もはやこれまで」とクビを覚悟で契約更新場へと向かう。しかし、そこでサッチモ監督が聞いたのは、「来季もお願いしたい」という言葉だった。しかも、あの広川GMも率先してサッチモ監督の続投を支持したという。まるでキツネにつままれたようなサッチモではあったが、なにはともあれ、無事秋季キャンプが始まった。
サッチモ 1巻

浦安バンタムズのスカウト部部長・小川完太郎(サッチモ)は甲子園が終わって新生チームとなった高校野球の秋季大会を見て回っていた。昨年、一昨年の覇者であったバンタムズだが、今年はペナントレース終盤で最下位争いをしている始末。そのうえ、オーナーは野球よりもサッカーに興味を持っている。となればリストラかと覚悟した次の日、至急本社へ戻るように連絡が入る。オーナーの部屋に呼ばれた小川は、解任された森田監督の変わりに、暫定監督として残り試合を消化するように依頼される。

サッチモ(2)

広川がヘソを曲げ、バンタムズの監督を断った。広川傘下の中堂コーチがチームの実権をほぼ握っているとはいえ、監督として小川の続投が決定する。半ばを過ぎたキャンプの休日に競艇に行った選手にグランド10周を命じる中堂コーチ。だが、小川も監督賞の賞金稼ぎに競艇に行っていたため自らグランド10周に参加する。そこへ、謎の外国人が「日本のプロベースボールの救世主」となるためやって来るが、テストではまったく打てず、追い払われてしまう。その外国人が飛ばされたボールをグランドへ返球したのを見て、小川はその才能を見抜く。

サッチモ(3)

最下位から4位まで浮上してきた浦安バンタムズだが、小川は今期限りで解任を言い渡されていた。広川は来期監督として、中堂コーチにあれこれ注文をつけてくるが、小川はおかまいなし。自分の信じる野球をするだけだった。中堂コーチもこれに従い、負けてもいい試合だったと気持ち良く球場を後にする。浦安バンタムズのホームでの最期の試合、相変らず全力を尽くして戦う小川にオーナーはやきもきするが、ファンはスタンドを埋め尽くし、開設以来の入場者記録を打ち立てた。その試合に、病状の思わしくない会長が訪れる。

サッチモ(4)

いよいよ1996年のペナントレースの幕が開けた。サッチモ率いる「バンタムズ」の開幕戦の相手は横浜ドルフィンズ。さて、今季のバンタムズの目玉選手は、オープン戦で5ホーマーを打っている大型ルーキー・江口ジローには、ファンのみならず広岡GMもジローの活躍を期待していた。ところが、ドルフィンズのエース・村野の投球に翻弄され、4連続三振でいいところなし。そのうえ守備のほうでも、逆転サヨナラ・ホームランにつながるエラーもしてしまう。

サッチモ(5)

見事Aクラス入りを果たしてペナントレースを終えたバンタムズ。だが、理由はどうあれ記者に暴力を振るってしまったサッチモ監督は、「もはやこれまで」とクビを覚悟で契約更新場へと向かう。しかし、そこでサッチモ監督が聞いたのは、「来季もお願いしたい」という言葉だった。しかも、あの広川GMも率先してサッチモ監督の続投を支持したという。まるでキツネにつままれたようなサッチモではあったが、なにはともあれ、無事秋季キャンプが始まった。

サッチモ(6)

目下最下位のバンタムズは、大阪ジャガーズとの3連戦を迎える。最下位といえば、昨年まではジャガーズの指定席だったが、監督の交代によってジャガーズは現在3位と絶好調。そのため「野球はヘッド次第」と広川のサッチモ批判も絶好調だ。そして始まった試合は、3対3のまま延長戦へ突入する。すると、それまで好投を続けていたバンタムズ橋田がマメを潰してしまい退場に!代わってマウンドに立ったのは、5年前に八百長試合で球界を去り、先日サッチモの説得によって球界にカムバックしたばかりの真田だった。