あらすじ

父親・軍次(ぐんじ)が脱獄し、東京で知り合った少年・啓(けい)とともに故郷の村へ戻った磯村リツ(いそむら・りつ)。しかしその後、軍次に寺を放火されたと言い張る和尚が、リツの家へやってきて勝手に居座ってしまう。そして軍次は放火してないと信じながらも和尚の世話をするリツは、三千万円の保険金目当てに和尚が自分で寺に火をつけたのだと疑う啓から、大人を信用するなと言われるのだが……!?
潮騒伝説(1)

青森の漁村で育った気丈な少女・磯村リツ(いそむら・りつ)が、過酷な運命に翻弄されながらも成長していく青春大河ロマン。明治二十九年に三陸地方を襲った大津波の原因である海の魔王・鯤(こん)を、親子三代にわたる宿敵として探し続ける老漁師・仁兵衛(にへい)。そして昭和50年、夢枕に立った父親から鯤の出現を知らされた仁兵衛は、孫娘のリツとともに海へ……!?

潮騒伝説(2)

海の魔王・鯤(こん)との死闘で、海に沈んでいった祖父・仁兵衛(にへい)を必死に探す磯村リツ(いそむら・りつ)。その時、親切にしてくれた老婆から、イタコなら仁兵衛の生死がわかるかもしれないと聞いたリツは、雪の中を歩いてイタコに会いにいく。そしてイタコの口寄せで、刑務所にいる父親・軍次(ぐんじ)を訪ねるように告げられたリツは、刑務所のある東京へと向かうのだが……!?

潮騒伝説(3)

父親・軍次(ぐんじ)が脱獄し、東京で知り合った少年・啓(けい)とともに故郷の村へ戻った磯村リツ(いそむら・りつ)。しかしその後、軍次に寺を放火されたと言い張る和尚が、リツの家へやってきて勝手に居座ってしまう。そして軍次は放火してないと信じながらも和尚の世話をするリツは、三千万円の保険金目当てに和尚が自分で寺に火をつけたのだと疑う啓から、大人を信用するなと言われるのだが……!?

潮騒伝説(4)

行方不明の祖父・仁兵衛(にへい)を探すために、金を稼ぐと決意した磯村リツ(いそむら・りつ)は、啓(けい)とともに東京へ行く。しかしなかなか働き先が見つからないリツ達は、地下鉄で逃亡中の父親・軍次(ぐんじ)と偶然にもすれ違う。そして再び軍次に会うために次の駅で待ち続けていたリツ達は、中華料理“万福楼”の店主・小杉(こすぎ)に声をかけられるのだが……!?

潮騒伝説(5)

精神を病んだ小杉(こすぎ)の入院後、たった一人で万福楼を切り盛りする磯村リツ(いそむら・りつ)だったが、店の土地を狙う暴力団・大門組に拉致されてしまう。そして組長・大門(だいもん)に犯されたリツは、香港へ売り飛ばされそうになったところを、父親・軍次(ぐんじ)と小杉に救出される。その後、悲しみのあまり万福楼を出て行ったリツは、ゴミを漁る男・斉藤一郎(さいとう・いちろう)と出会い……!?

潮騒伝説(6)

過酷な現実を経験した磯村リツ(いそむら・りつ)は、斉藤一郎(さいとう・いちろう)の元へ駆け込む。その後、斉藤から一流のレディになるための教育を受ける事になったリツは、さまざまな勉強をして知識を深めていく。一方、チンピラ・ポリ勝(ぽりかつ)の弟分になった啓(けい)は、堕落した生活の中でどんどん荒れていく。そして二年後、華麗な淑女に変身したリツは……!?リツの成長を描いた青春大河ロマン、感動の完結巻。