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会社では係長の役職を真面目にこなす岸。以前は、都合のいい相手と時々関係を持つような遊び方で満足していたのに、かつて思いを寄せていた親友の忘れ形見である秋治を引き取り、二人で暮らすようになって以来、那津への秘め続けてきた思いが徐々に紐解かれて行く。
那津への密かな想いをずっと胸に秘め続けてきた春影のもとに、突然すぎる事故の連絡。その葬儀の席で見かけた那津の息子の秋治は、那津によく似ていた。高校卒業を待たず母方の実家に帰らざるを得ない状況に悩む秋治に、思わず「うちに来る？」と提案する春影。無邪気に喜ぶ秋治の姿に、ちくりと胸を刺す罪悪感。その時はただ、彼と過ごすこれからの日々が、穏やかなものであることだけを願っていた。
受験勉強とバイトに励む秋治を気分転換に海へ連れ出す岸。いつかは出ていく秋治との貴重な思い出にもなった小旅行を終え、気分良く飲んで眠ってしまった岸は起こしに来た秋治に寝ぼけて抱きついてしまい――。
秋治の良き保護者として、気持ちを抑える岸。さらに自分がゲイだということも知られないよう注意を払って生活していた。しかし、昔の遊び相手である、るいは自分に振り向いてもらいたい一心で秋治に牽制をかける。岸の知らない一面を見た秋治の傷ついたような顔は何を意味するのか。
想い人だった那津を彼の息子である秋治に重ねていること、少しづつ秋治に惹かれていること、そして保護者としての自分のセクシャルな部分を露見させてしまった罪悪感に苛まれる岸。秋治が自分の元から家出をし、自分の気持ちを整理する時間もできたところで、岸なりの決心をつける。
自宅に帰ってきてくれた秋治に、自分の気持ちを隠さず全て話す覚悟を決めた岸。秋治の父親・那津が好きだったこと、那津の代わりに近くでいてほしいと望んだことなど全てを伝えると、それをひっくるめて好きだと告白されーー？「保護者」としての役目を果たしたあと、二人の未来について真剣に考え、二人で愛しい季節を過ごすと決めた。
