わが子を愛しているからこそ抱える悲しみかある。愛しているからこそ犯してしまった罪がある――。ひき逃げ事件を起こしてしまった母・淳美。厳しい姑に、息子が『人殺しの子どもと後ろ指さされてもいいのか』と迫られ、淳美は収監前に離婚させられる。出所したものの、自分が不幸にした遺族への罪の意識は消えず、最愛の息子・秀に会うこともはばかられた。生きる希望を失った淳美の前に現れたのは、母の顔を忘れ去っていた最愛の息子だった――。その他、事故で息子を亡くした母、娘の生い立ちを隠してきた母、息子の前で躁鬱に苦しむ母など、家族の絆を温かく問う感動の物語。