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【電子限定】 2019年、話題騒然となった衝撃の 読み切り『義父の息子』初収録!!! 『Deadmeat Paradox』 死後30日以内に突如復活する原因不明の病気/患者を「ゾンビ」と呼ぶ。オーランド帝国は、未だゾンビに対し「生か死か」の究明さえしていない。国は「寝ることも食べることもない、ただの安い労働力」としか見ていない、というのが弁護士・ゴールドの考え方。弟であり「ゾンビ」のシルバーと営む弁護士事務所に、今日も新しい依頼人がやって来る。ある日、2人が墓地で見つけたのはーーー。『義父の息子』 受験生・ショウタは、父親から、東大に受からなければ家を出て行くよう言われている。父親を見返したい一心で勉強してきたショウタだったが、ついに迎えた受験前日、自動車に撥ねられてしまう。病院で目を覚ました時、目の前に広がっていた世界は――!!
この作品に出てくるゾンビが面白いのは「死んでいる」以外はほとんど人間と変わらないところ。理性もしっかりあるのでコミュニケーションを取ることだって問題なく出来るのですが、気味悪がられたり、労働力として搾取されるなど差別の対象でもあります。 そして主人公・ゴールドはトラブルに巻き込まれがちなゾンビからの相談を受け付ける弁護士という絶妙な設定です。もし「人とほぼ変わらないゾンビ」がいたらこの世界でどんな問題が起こるんだろうというのを想像させるのにピッタリの仕事ですよね。 自分にかけられた生命保険を死んでいるゾンビは受け取れるのか(!)という問題に端を発し、事態はゾンビのありようを問う裁判に発展していきます。生と死の境界、人権と差別、それらを規定する法のあり方、といったテーマを現実の社会とも比べながら読み解いていける構造になっているのが鮮やかです。 エンディングは裁判の決着を経て世界がどう変わったのかがわかるまで。ゴールドの人物像から受けた印象と同様、結末もスマートで素敵でした。 1巻で綺麗にまとまっているとは思うのですが、もう少しこの世界の物語を見ていたかったというのが本音!色んなストーリーが作れそうだなと…。そう思わせてくれる魅力的な世界と人物が描かれていた作品でした。