public
star_border
star_border
star_border
star_border
star_border
“蟲蠢く星”。荒廃した惑星「リリテア」の異名である。蟲と呼ばれる生態系が跋扈する荒野で、2人は出逢った。互いに魅かれるたび、カラダの内側から溢れ出る違和感。傷つけたくなくても本能が告げるのだ。「殺せ」と。対立する2つの種族の少女が、闘争の記憶に逆らい紡ぐポスト・アポカリプス・ストーリー!
“蟲蠢く星”。荒廃した惑星「リリテア」の異名である。蟲と呼ばれる生態系が跋扈する荒野で、2人は出逢った。互いに魅かれるたび、カラダの内側から溢れ出る違和感。傷つけたくなくても本能が告げるのだ。「殺せ」と。対立する2つの種族の少女が、闘争の記憶に逆らい紡ぐポスト・アポカリプス・ストーリー!
本作の1巻を私はカラー版で読んだのですが、2巻を買う時に何故かモノクロ版をカートに入れて、そのまま購入してしまったのです。 電子書籍なので返品も効かず、カラー版を買い直す程の財力も無いのが悔しくて少しいじけてから、物語は同じだしと己を納得させて読み進めればまぁ……何とも重い百合が展開しているじゃありませんか。 本来争い合うはずの、蜂種族のプリマベラと蟻種族のラムリッタ。まだ幼く弱いラムリッタを保護し、戦い生きる術を教えるプリマベラ。少しずつ親愛の情を交わす二人の生活に、プリマベラの知人と思しき蜂種族の女性が介入する。 互いを救うべく行動するプリマベラとラムリッタ。ラムリッタの命を救いながら姿を消すプリマベラを、探すために強くなってゆくラムリッタに震える。 切ないのは、互いを想う心に反発する「本能」。同族と争うのを止める幻影、プリマベラがラムリッタを想う反面の殺戮衝動。果たして二人の想いは、本能を御することができるのか……ラムリッタが獲得した「強さ」が今後、カギとなるのかも知れない。 モノクロ版は『風の谷のナウシカ』漫画版のような退行世界のざらつく質感を充分伝えてくれる。その質感は、本能に抗う物語に生と死のリアリティを与え、物語をスリリングにしているのです。 カラーでもモノクロでも素晴らしいなぁ……という事が分かったので、今回は己の間違えを許してやろうと思うのでした。