あらすじ

鬼塚というバス停で降りた青年・さぶは、たちこめる白い霧に彷徨いながら、迎えに来た少女・まやとなんとか出会う。その後、聞こえてくる誰かの歌声の方向へ駆けたさぶは、霧の中で姿を消してしまう。そして通りすがりの僧に声をかけられて目覚めた平安装束姿のさぶは、那羅原の野で出会った美しき少女の夢を見たと語る。それを聞いた僧は、その少女は鬼となりはてた“まやひめ”だと告げるのだが……!?
あすなひろし作品集(1) 「青い空を、白い雲がかけてった」より

独特な作風で定評のある漫画家・あすなひろしの、さまざまなジャンルにわたる傑作を収録した作品集。優れた美貌とプロポーション、お色気ファッションで男子達の注目を集め、女子達から敵意の視線を浴びる転校生・相良凌(さがら・りょう)。そんな彼女と隣の席になったツトムは、男に甘えるのが上手な凌にすっかりメロメロに。その翌日、凌をめぐって番長と決闘することになったツトムだったが……!?

あすなひろし作品集(2) 「砂漠の鬼将軍」ほか

砂漠の中にある団地へ引っ越してきた小学4年生・源(げん)は、その翌日、サラリーマンによる夜明け前の砂漠大進撃や、砂嵐にまかれながら5キロの道を歩いて通学する子供達を見て、砂漠で暮らす事の大変さを知る。そして転校先の小学校で、知り合いの少女・岡本(おかもと)を自分の女だと言い張る6年生の番長に腹を立てた源は、番長へ喧嘩を挑むのだが……!?

あすなひろし作品集(3) 「ゆめの終わり」ほか

生まれてまもなく母親が死んでしまった少年・幡ノブ(はた・のぶ)は、幼いながらも料理・掃除・洗濯をして、ゴリラのような父親・剛馬(ごうま)と二人で暮らしていた。そんなある日、間違って声をかけてきた美しい女性・幸子(さちこ)と知り合った剛馬は、ノブに幸子を紹介して家族みたいに楽しい時間を過ごす。そして幸子に母親になってほしいと思うノブだったが、突然現れた刑事から幸子の正体を告げられて……!?

あすなひろし作品集(4) 「遠い歓声」ほか

白昼の雑踏で、あざやかにターゲットの人物を殺害した殺し屋の少年。その後、部屋に戻った少年は、まったく動かない人形のような少女に食事を与える。そして依頼者に電話して、その報酬を取りにコインロッカーへ向かった少年は、警察らしき男から声をかけられて金を取り損ねる。その時、この仕事もそろそろやめなければと考えた少年は、少女との出逢いや殺し屋となった経緯を振り返っていくのだが……!?

あすなひろし作品集(5) 「童話 ソクラテスの殺人」ほか

冷たいコンクリートの団地に暮らす総子(ふさこ)は、挨拶もしあわない住民や他人の噂ばかりしている主婦達などに被害妄想を抱く。そんな不満を夫に訴えた総子は、気にするなと説得する夫に、外に出るのもイヤだと言い出してノイローゼ状態に陥る。そして住民に嫌がらせをされたと部屋に引き籠もる総子は、部屋に佇む男の幻覚を見るようになって……!?

あすなひろし作品集(6) 「白い霧の物語」ほか

鬼塚というバス停で降りた青年・さぶは、たちこめる白い霧に彷徨いながら、迎えに来た少女・まやとなんとか出会う。その後、聞こえてくる誰かの歌声の方向へ駆けたさぶは、霧の中で姿を消してしまう。そして通りすがりの僧に声をかけられて目覚めた平安装束姿のさぶは、那羅原の野で出会った美しき少女の夢を見たと語る。それを聞いた僧は、その少女は鬼となりはてた“まやひめ”だと告げるのだが……!?

あすなひろし作品集(7) 「オネーギン」ほか

読書ばかりしていた物静かな女性・タチアナは、妹・オリガの婚約者・レーンスキーが連れてきた青年・オネーギンに衝撃的な一目惚れをする。その後、熱い想いを綴った手紙をオネーギンへ送ったタチアナは、それを読んだオネーギンから彼女の愛を拒まれてしまう。そしてタチアナの誕生パーティへの参加を無理強いしたレーンスキーに腹を立てたオネーギンは、オリガに手を出した事でレーンスキーから決闘を挑まれて……!?