あらすじ昨日、娘が家を出た。主婦のハルコは「子育ての終わり」と「娘の独り立ち」をうれしく思う反面、寂しさも感じる。娘と離れ、「お母さん」としての役割を持て余す日々の中で、娘に知らず知らずのうちに依存していた「私」にハルコは気づいてゆく。これは「訪れた別れ」と向き合う「新しい私」に出会う物語。
子育てが一段落した母親の複雑な心情がじんわり伝わってきました。面倒くさいけど愛おしくてしょうがない存在のために使ってきた時間が、いきなり自分のものになってしまう。だからといってスッパリ娘離れが出来るわけでもなく、やりたかったことに突き進むわけでもなく。 こういうとき、夫が育児に非協力的だったり、二人暮らしになったことでストレスが発生しがちだと思ってしまう(漫画の読みすぎかも)けど、この漫画の夫婦はすごく理想的な関係。なんかアラフィフ夫婦のやり取りとは思えない幸福感があります。だからこそ、ハルコは生活のバランスを崩さずにマイペースにまたあるき始めることが出来るんだな、と。 ちょっと娘に依存して鬱陶しがられるリアルな母親らしさと、推しを見つけようとしたり流行を追う好奇心が同居している描写がものすごく上手いです。ハルコと今の自分は何もかもが違うけど、ハルコの気持ちに共鳴してグッと来るときがあった。そのくらいの年齢になっても、ときには流されたり寄り道したりできるやわらかい生き方ができたら良いなと思いました。