あらすじ

東北の地より、生と死の意味を問う。宮城県の田舎町に生まれ、身寄りのないイサオ。一方、医者の息子である雅彦は、小学生の頃から、自分が生きていることの意味についてひそかに、深く悩んでいた。二人が中学生になったある時、イサオは恩師の臨終の場で、人の魂を己に乗り移らせたかのような不思議な力を見せた。そして、次第にイサオに惹かれいった。雅彦は、高校入試の日に、二人で旅に出ることを決意する。目的は、イサオが産まれた瞬間に目撃したという神様のような存在=トモイを探すこと。これが、二人の長い長い旅の始まりだった。
I【アイ】(1)
東北の地より、生と死の意味を問う。宮城県の田舎町に生まれ、身寄りのないイサオ。一方、医者の息子である雅彦は、小学生の頃から、自分が生きていることの意味についてひそかに、深く悩んでいた。二人が中学生になったある時、イサオは恩師の臨終の場で、人の魂を己に乗り移らせたかのような不思議な力を見せた。そして、次第にイサオに惹かれいった。雅彦は、高校入試の日に、二人で旅に出ることを決意する。目的は、イサオが産まれた瞬間に目撃したという神様のような存在=トモイを探すこと。これが、二人の長い長い旅の始まりだった。
I【アイ】(2)
人の魂を己に乗り移らせるような力を持つイサオと、生の意味を問い続ける雅彦。神様を探す二人旅の最中に、イサオは殺人の疑いで警察に連行されてしまった。一方の雅彦は警察の紹介で「岡島にんげん農場」へ身を寄せることに。そこは、他人同士が疑似家族として暮らす、濃密な人間関係で形成されたコミュニティだった。農場で家族と仕事と恋人を得た雅彦は、イサオの影を感じつつも、しばし幸福な未来を夢見る。しかし、それはやがて襲い来るカタストロフの序章に過ぎなかった。
I【アイ】(3)
農場での惨事を経て、一人残された雅彦。「神様」の姿を追い求める彼は、自らの手で己の目を潰した。不自由な生活の中、それでも「神様」に近づいていることを感じる雅彦。妻・加代子の支えを得て、焼き物を生業とし始めてからも、雅彦の「神様」を求める心は収まることがなかった。そして長い時が過ぎ、2011年3月。東北地方を強い地震と大きな津波が襲った――。手塚治虫文化賞に二年連続ノミネートされるなど、高い評価を得た著者の渾身作、堂々の完結。
ぼのぼの人生相談 「自分をしまっちゃうのをやめないとさ」

ぼのぼの人生相談 「自分をしまっちゃうのをやめないとさ」

「自分の顔が嫌いです」「今の仕事が天職なのか分かりません」「好きになった人が宗教を信仰していました」「子どもを持たないのは悪いことですか?」「家に幽霊が居るかもしれません」家族・恋愛・友人・仕事・子育てなどなど実際に寄せられたお悩みに、ぼのぼのたちが一生懸命考えて答えた人生相談漫画の第2弾!
お猫見

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「ネコは見るもの愛でるもの」『ぼのぼの』いがらしみきおが贈る、笑いあり涙あり流血ありの実録猫エッセイコミック♪描き下ろし漫画・コラムに加えコミックス未収録作品3篇収録。LOVEと狂気とモフモフが渦巻く、いがらしみきおワールドをたっぷりご堪能ください!〈収録内容〉『お猫見』『実録帰宅の人』『山からくん』『時々遊びに来るぼのぼの』連載時のカラーページ全収録!!!★単行本カバー下画像収録★
ぼのぼの人生相談 ひととくらべちゃダメなのさ

ぼのぼの人生相談 ひととくらべちゃダメなのさ

神回答・珍回答続々!息苦しい生活にヘトヘトになったらこの1冊。「絶対的な死の恐怖にどう付き合っていけばよいでしょうか?」「どうすれば女の子から男の子になれますか?」「やらないといけないけどやりたくない時はどうしてる?」家族・恋愛・友人・仕事・子育てなどなど、実際に寄せられた38のお悩みに森のみんなが一生懸命考えて答えた漫画でぃす!掲載時のカラーページ全収録!!!★単行本カバー下画像収録★
お人形の家 寿

お人形の家 寿

いがらしみきおの家はお人形の家だった!! 『ぼのぼの』『忍ペンまん丸』『羊の木』『かむろば村へ』『誰でもないところからの眺め』など、数々の名作を描いてきた漫画家いがらしみきお。その最新作はお人形! お人形は長年連れ添う妻が収集してきた実際にあるものをキャラクター化。サバを読んで50体(妻談)というお人形たちから、選りすぐりの子たちが登場。いがらし家を舞台に、家族の近況をネタにお人形たちが駆け巡ります。 画業40年、いがらしみきおの到達点。「人形×ノンフィクション×しゃべくり」の世界をどうぞお楽しみください。■内容『お人形の家 寿』(全26話) ペンギンの自我を描いた意欲作 『動物園のボブ』(全7話) <特別収録>史上初! いがらし夫妻対談 本邦初公開 いがらし家間取り図 描き下ろし『お人形の家 寿』『動物園のボブ』後日譚
人間一生図巻

人間一生図巻

「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終るだろう」 レヴィ=ストロース「悲しき熱帯」の最終章に出てくる有名な言葉です。 それでもヒトはこの世に生まれ、生き、病み、老い、死ぬ。 それでもヒトそれぞれの生きざまは胸を打つ。 巨匠いがらしみきおが贈る入魂の人生絵巻!
ぼのちゃんとしまっちゃうおじさん

ぼのちゃんとしまっちゃうおじさん

「さあ~どんどんしまっちゃうからね~」のセリフでおなじみ、しまっちゃうおじさんが登場~!* * * * * * * *ある日、ひとりでお留守番をしていたぼのちゃんの前にあらわれた謎の存在、しまっちゃうおじさん。しまっちゃうおじさんは、ぼのちゃんにしか見えなくてぼのちゃんとしかお話ができません。しまっちゃうおじさんはどこから来て、どうしてぼのちゃんにしか見えないのでしょうか…?ぼのぼのがはじめて、しまっちゃうおじさんと出会いしまわれてしまう日のお話。「さぁ~読まない子はしまっちゃうからね~」* * * * * * * *ぼのちゃんシリーズ完結!オールフルカラー 描き下ろしポエム収録。★単行本カバー下画像収録★
ふつうのきもち

ふつうのきもち

「少年の心象風景を描こうと思ったんですが、こんなにむずかしいとは思いませんでした。今までで一番苦しんだ作品かもしれません」とは著者の談。webアクション連載中にコロナ禍となり、主人公ヒロくんもその渦中に。たいせつな「ふつうのこと」がとても心に沁みる巨匠いがらしみきおの意欲作です。
あなたのアソコを見せてください

あなたのアソコを見せてください

大学へ行かずにコンビニでアルバイトをしているミコは、幼少期に見た光景が頭から離れずにいた。ある日、バイト先の常連客からとあるクラブへの参加を持ちかけられ…… 本当に好きな人ってどんな人なのか。欲情するってどういうことなのか。あの光景から自分を解き放つことができるのか。松尾スズキ、感服!!!「もっと欲情しろ、深く生きてみろ。」 セックスの根源に肉薄する、いがらしみきお渾身の大作! ★購入者プレゼントキャンペーン情報掲載★
いぬぼの

いぬぼの

ぼのぼのが・・・犬!?犬はほえるもの、うるさいもの!みんなで走るよ、走ると元気がでるよ!シッポはおもしろいよ、うれしいとたくさん動くよ!でもどうしてだろ? 海がなつかしいのは…?もしも、ぼのぼのが犬に生まれたら――犬になったぼのぼのたちの、わんダフル・パラレルストーリー♪掲載時のカラーページ全収録!!!掲載時のカラーページ全収録!!!★単行本カバー下画像収録★
I【アイ】
-(マイナス)×-(マイナス)=+(プラス)
I【アイ】 いがらしみきお
影絵が趣味
影絵が趣味
よく「動物を擬人化させたマンガを描くひとは捻くれ者だ」と言われることがありますけど、なかなか本質を突いた言葉だなぁと思います。動物ではないですけど、実はアンパンマンなんかはかなりグロテスクですよね。それを戦中餓死しかけたこともあるというやなせたかしさんが描いたとなればこと尚更。まあ、おそらく、そういうひとたちは人間の目線では物事をみていない。というのは人間に絶望しているのか、人間が嫌いなのか、それはわかりませんけども、とにかく人間の外側からの目線を獲得したいという強烈な意志を感じます。 いがらしみきおも擬人化動物マンガを描いたひとりですけども、『ぼのぼの』は凄まじいです。第一話目からいきなり、ぼのぼのがただ川を流されてゆくコマが四つ続くという過激さ。起承転結という四コマ漫画の定石をまるで無視して四コマとも何も起こらない。ただ、ぼのぼのが川を流されているという事実だけが浮き彫りになる。この何も起こらなさを過激と捉えてしまうのは人間の目線でものをみているからなんでしょうけど、ぼのぼの以前のいがらしみきおは全人類を燃やし尽くすかのような過激でブラックなギャグをやっていたひとですから、やっぱり衝撃なわけです。 しばらくの休載期間を経てはじまった『ぼのぼの』ですが、休載期間に何か転機があったのか、おそらく、否定に否定をどこまでも重ね尽くしたひとにしか到達できないある種の肯定に辿り着いたのだと思います。まあ、菩提樹の下で悟りを開いたブッタのようなものです。 そして『ぼのぼの』で悟りを開いて、しばらく山籠りしていた仙人が俗世に下りてきたのが『Sink』や『I』になるかと思います。だから『ぼのぼの』の過激さがもっと分かりやすく描かれている。動物ではなく人間ですからね。といっても『I』ではほとんど動物めいた人間がおぞましく描かれている。そういう意味ではジョージ秋山の『アシュラ』に近い作品なのかもしれません。『アシュラ』も『I』も醜さや穢らわしさが一周まわって何か神聖めいた肯定的なものにみえてくる。この「一周まわって」というのがとても重要なことのような気がします。