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※こちらは無料試し読み版です。続きは4月24日発売の製品版をご購入の上、お楽しみください。人気プロ棋士の先崎学九段を“うつ”が襲ったのは、47歳の誕生日の翌日でした。頭がどんよりと重く、将棋を指しても対局にまったく集中できない。1日のうち、何度も電車に飛び込む自分の姿が脳裏をよぎるようになります。「学、入院するんだ。このままでは自殺の恐れがある」精神科医の兄からのアドバイスによって、先崎さんは精神病棟への入院を決意します──。本書は、うつ病で1年間の休場を余儀なくされた先崎さんの闘病エッセイを、漫画家の河井克夫さんが漫画化したもの。文藝春秋のニュースサイト「文春オンライン」で連載され、累計564万PVを記録する大きな反響を呼びました。朝起き上がれない。活字が頭に入らない。詰将棋も解けない……。そんなドン底の状態から、いかにして先崎さんは自分と将棋を取り戻していったのか。現役復帰を果たすまでの軌跡が、ユーモラスかつ繊細なタッチで描かれます。「お見舞いには”みんな待ってます”の一言を」「うつ病にとって散歩は薬」「規則正しい日課で生活ズムを取り戻す」等々、”うつヌケ”のための実用的なヒントも満載です!?
明確な原因はわからないけれど、うつというものは気づかないうちにじわじわと近づいてくるものなんだなと、やはり他人事ではないんだなというのを改めて実感した1冊でした。 本書は、将棋界へ復帰できるかどうかというところで、精神科医であるお兄さんに闘病について文章にしてみるよう薦められて終わりますが、ウィキペディアによるとその後にしっかり復帰されたようでホッとしました。 うつと向き合う中で、少しずつ回復傾向であると思っても、その日のうちで調子の良し悪しに波があったり(夜は元気でも朝起きると悪くなっているとか)、文字が読めなかったり、将棋の初歩の初歩すら分からなくなっていたりと今まで当たり前にできていたことが出来なくなるというのはどれだけ辛いことだろうと、読んでいて心配になるんですが、自暴自棄にならず医者からのアドバイスも素直に聞き入れ、将棋への意欲が再び芽生えたことに喜びを感じられたからこそ復帰までたどり着けたんだろうと思います。 やはり受診する病院や医師によって良くも悪くも左右される病気だと聞くので、身内に優秀な精神科医がいたことが幸運だったと思います。しかし兄は精神科医、弟はプロ棋士となんと優秀な家庭だろうと、うつと関係ないところでもなかなか興味深い部分がありました。 最後の方に羽生善治棋士と少し会話するシーンが有るのですが、なんとなくクスッと笑ってしまう微笑ましさがありました。