【暗い雨の夜…屋敷に一発の銃声が響いた】バー『ラ・メール』では、バーテンの志村が常連客と雑談をしながら営業をしている。外は雨、間もなく閉店の深夜、普段は客足のないこの時間帯にひとりの客が訪れた。喪服を着た男が雨だれを零しながらドアをくぐる。「まだ平気?」「閉店は午前二時となっておりますので」。 頷いてスツールに腰掛ける男がオーダーしたのは『チャールストン』だった。チャールストンは、この店の前オーナー里見の十八番だったカクテルだ。恐らくこの客の来店は初めてではない…。 差し出したカクテルを一気に飲み干した男から二杯目のサインが出る。「ゴーストドッグを」。 『もし、このカクテルをオーダーして来る奴が現れた時は気を付けろ、そいつは本物の犬の幽霊かもしれねえぞ』。 志村は昔、里見に言われたことを思い出していた…。 訳アリバーテン × 元ヤクザのハードボイルドラブ!小野浜こわし初BLコミック!
【今夜…帰らないでもらえませんか…】バー『ラ・メール』を訪れた喪服の男・姫川から、父親である『浜島組の若頭』八代豪の死の真相を聞いた志村。亡き父の遺言を知るため、テストを受ける事になった。姫川がバーに来店して最初にオーダーするカクテルの出来で合否が判定され、二杯目を頼めば合格、一杯目で店を出たら不合格。それを七日間続ける必要があった。二日目の夜、姫川が元々里見の知り合いで『ラ・メール』のバーテンだったことを知った志村は、幼い日にここを訪れていたことを思い出す。その思い出の中にいたのが若き日の姫川だったと気づき、孤独の中で張りつめていた志村の心にある感情が芽生え始めた…。訳アリバーテン × 元ヤクザのハードボイルドラブ第4巻!