あらすじ

後漢末、諸葛亮孔明は、強引に諸侯を束ねようとする曹操から仕官を請われたが辞退した。さらに農民の自主性を重んじ戦いを避けたいと考える孔明は、曹操と対立を深めていく。そして、曹操の攻撃から荊州を守る任にあたっていた劉備将軍と出会い、彼が自分と共通する時代認識を持つことを発見した。
諸葛孔明 時の地平線 1巻

後漢(ごかん)末期。朝廷軍の将軍・曹操に、朝廷への憎悪をむき出しに立ち向かってくる少年がいた。彼こそが諸葛亮孔明―軍師として史上名をはせた天才の、若き日の姿である。諏訪緑が満を持して挑む新世紀の「三国志」! 三国時代前夜、乱世を舞台に、孔明の少年期から青年期を描いた第1巻。

諸葛孔明 時の地平線 2巻

農民たちの自主的な運営による共同体「塢(う)」の拡大を抑えようとする曹操。その曹操の政策に疑問を持つ孔明。諸国をめぐる途中、同じく曹操の圧制に苦慮する呉の周瑜とかかわり、配下に誘われるが…。独自の生き方を求める孔明は、曹操に直接会う道を選んだ!

諸葛孔明 時の地平線 3巻

後漢末、諸葛亮孔明は、強引に諸侯を束ねようとする曹操から仕官を請われたが辞退した。さらに農民の自主性を重んじ戦いを避けたいと考える孔明は、曹操と対立を深めていく。そして、曹操の攻撃から荊州を守る任にあたっていた劉備将軍と出会い、彼が自分と共通する時代認識を持つことを発見した。

諸葛孔明 時の地平線(4)

時代の要請である新しい国を造るため、劉備将軍の臣下に加わることを決意する孔明。だが、意外にも与えられた役職は戦の要となる軍師であった。実戦の経験を持たない孔明に武将らは反感をもつが、目前に迫る曹操の大軍をみごとな策で打ち破り、信頼をえる。大陸に嵐が吹き荒れる、第4巻!

諸葛孔明 時の地平線(5)

曹操軍の進攻から逃れ、民とともに南下してきた劉備軍。強大化する曹操の力に対抗するため、江東と同盟を結ぶことを必至と考える孔明は、まず江東の支配者・孫権の片腕である周瑜のもとを訪ねる。だが、周瑜は曹操への降伏派が多数をしめる文武官たちを自力で説きふせよ、と突き放す――。

諸葛孔明 時の地平線(6)

悠久の大河、長江を挟みにらみあう曹操軍と江東軍。水上戦に有利な江東軍だが、数を有する曹操軍に決定的なダメージを与えるに至らず、長期化への不安を抱いていた。そんな折、両軍のあいだで不審な動きをみせる?士元(ほうしげん)。一方、孔明は三国志時代の命運をかけた「赤壁の戦い」を前に、勝利の風を乞う!!

諸葛孔明 時の地平線(7)

曹操の勢力が衰えた機を狙い、天下統一のため蜀攻略を急ぐ周瑜に対し、孔明は蜀との同盟こそが良策と考え、ふたりの意見は対立する。そして、荊州を治めていた劉奇が、病の床で自分の亡きあとを劉備に託すと宣言した。その知らせを聞いた周瑜は激怒し、劉備暗殺と共に荊州を手に入れようと企むが…。

諸葛孔明 時の地平線(8)

士元をふたり目の軍師として迎えることになった劉備将軍。孔明は荊州の治安を彼に任せ、急ぎ反乱に揺れる異民族の地へと向かう。同行した朱津(しゅしん)の活躍で、無事和平を締結するも、今度は士元が蜀の地へと赴くになった。一方、西へと進軍する曹操は、漢中の地で勇将馬超と一戦を交えるが――。

諸葛孔明 時の地平線(9)

異民族の将・馬超と同盟を結び、蜀の地の安定を図ることで、曹操の勢力を押さえようと考える孔明。だが、漢人への深い憎悪を抱く馬超は、孔明からの使者を徹底的に拒絶する。停滞する事態の間隙を狙うかのように、曹操軍が江東へと動き出す。一方、蜀では変革派と通じていた士元に最大の危機が――!!

諸葛孔明 時の地平線(10)

士元の尽力により、劉備は異例の速さで蜀の統治権を得ることができた。だが、落ち着く間もなく、魏の曹操、江東の孫権が対劉備に向けて動き出す。一方、蜀の地の農地確保と法の制定を急ぐ孔明は、新たな謀略に巻き込まれてゆき…。権謀術数入り乱れる世で、軍師・孔明の手腕が試される――!!

諸葛孔明 時の地平線(11)

建安20年(西暦215年)。劉備が治める益州の隣国・漢中が曹操に制圧された。勢いづく曹操軍の進軍を阻むため、孔明は張飛に持久戦を命じ、撤退へと追い込むことに成功する。だがすぐに、曹操軍に脅かされる涼州から出兵要請を受ける。血気にはやる兵士達を前に、孔明はまたも持久戦を提案するが…。

諸葛孔明 時の地平線(12)

劉備、曹操、孫権たち漢民族が領土を争い戦う一方で、周辺の少数民族たちはそれぞれの立場で自分の土地を守るため動いていた。曹操軍の軍師孔明の命をねらうのは、荊州の南に控える南越族。しかも、孔明の信頼厚い馬謖(ばしょく)は、実は南越族の長に育てられた青年で、孔明暗殺の機会を窺う役目を負っていた…。

諸葛孔明 時の地平線(13)

陸遜の計略により、荊州は孫権軍に制圧された。つづいて、魏では曹丕が、漢王朝を継ぐと称し帝を名乗った。国内外の動揺を沈めるため、孔明は劉備に帝位につくようすすめ、、事実上、蜀漢は国として独立をなす。一方、孔明は荊州に残された自国の民を救う策を練るが、遠征軍には劉備自らが加わり――。

諸葛孔明 時の地平線(14)

魏・呉・蜀(江東)がそれぞれ建国して、後漢は事実上消滅、武力を争う乱世は三国が牽制しあう時代へと移る。蜀では帝となった劉備が死去し劉禅が帝位を継ぐが、劉備の遺志に従い、実質統治は孔明が引き継いだ。孔明は周辺民族に和平交渉をもちかけるが、呉と結託して蜀の対立を選ぶ一派もいて――。堂々完結!