あらすじ

母・アグリッピナを謀殺したネロは、彼女の亡霊でも見るかのように毎晩うなされていた。母の忌まわしい記憶を忘れるため「ネロ祭」を盛大に催し、財務官オトの妻・ポッパエアと蜜月を続ける。そしてついにオクタヴィアと離縁したネロは、ポッパエアと再婚。「ネロ祭」の最中、キリスト教の布教を行うパウロと出会ったレムスは、その教義に興味を惹かれる。政治よりも詩、劇、歌など現実的でないものへと心を移したネロは、宮殿が移動するかのような大げさな行列を仕立て、ナポリへと旅立つ。ネロのいないローマではやがて……。演劇や詩作を愛し芸術家を生んだパトロンにして、多くのキリスト教徒を処刑した暴君、肉親を殺し肉欲に耽った背徳者・ネロ。その生涯、ここに完結!!
我が名はネロ(1)

ネロ・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。西暦54年、ローマ皇帝・クラウディウスは暗殺され、16歳にしてネロは皇帝に即位する。家庭教師で哲学者であるセネカの補佐のもと、元老院、民衆を味方につけ確固たる地位を築く。しかし、ネロに執着し、政の場にも顔を出す母・アグリッピナの存在を次第に疎ましく思う。時を同じくしてゲルマニアでは、ドミティウス・コルブロがゲルマン人の騒乱を鎮圧し、勇猛な闘いぶりから「レヌス(ライン川)の狼」と呼ばれたカウキ族の少年が、奴隷として買われようとしていた。いまここに、数奇な宿縁で結ばれた2人の少年の物語が始まる!!謀略と暗殺、怠惰と背徳……欲望のままに己が権勢を振るい、全盛を極めた暴君ネロの生涯を名匠・安彦良和が描く!!

我が名はネロ(2)

母・アグリッピナを謀殺したネロは、彼女の亡霊でも見るかのように毎晩うなされていた。母の忌まわしい記憶を忘れるため「ネロ祭」を盛大に催し、財務官オトの妻・ポッパエアと蜜月を続ける。そしてついにオクタヴィアと離縁したネロは、ポッパエアと再婚。「ネロ祭」の最中、キリスト教の布教を行うパウロと出会ったレムスは、その教義に興味を惹かれる。政治よりも詩、劇、歌など現実的でないものへと心を移したネロは、宮殿が移動するかのような大げさな行列を仕立て、ナポリへと旅立つ。ネロのいないローマではやがて……。演劇や詩作を愛し芸術家を生んだパトロンにして、多くのキリスト教徒を処刑した暴君、肉親を殺し肉欲に耽った背徳者・ネロ。その生涯、ここに完結!!