あらすじ耽美主義の人気作家・美倉洋介(みくら・ようすけ)が駅で出会ったみすぼらしい少女バルボラ。酒びたりで自堕落な彼女が家に居着いてからというもの、美倉のインスピレーションは冴え渡り……。はたして彼女は悪魔か女神か!? 芸術家の栄光と苦悩をめぐる、不可思議きわまる幻想譚! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT145~146『ばるぼら』第1~2巻収録 <初出掲載>1973年7月10日号~1974年5月25日号 ビッグコミック連載
1973〜1974にビッグコミックで連載された作品です。ヅカ先×ビッグコミックは何らかのニックスが発生しているのか、かなり安定して高品質のマンガができるので、読んでて非常に安心感があります。 物語の骨子は、芸術や創作について描いたものですが、それを彩るスパイスとして、酒や異常性癖やヴードゥなどが登場します。 一話目から主人公の妄想が描かれ、それが数ページ後になって妄想だったとわかる作りになっていて、それが何回か繰り返されるので、後半もどこからどこまでが妄想なのか現実なのかよく分からないような不思議な感覚になってきます。 「のんだくれでで グータラで うすぎたなくて あつかましくて・・・ 無責任で 気まぐれで おせっかいで 狂気じみてる <略> 芸術ってもんは もともとそういうものさ・・・」 という芸術観が披露される場面があるのですが、この部分、なんか知らないけど異常なまでにめちゃカッコ良いので、いつか飲み屋でパクって語ってみたいと思います。