江戸を目指し、北へと進む大型商船「そらりす丸」。何者かに羅針盤を狂わされた船は、魍魎跋扈する妖の海へと誘われる。船を迷わすは何者か…怪異がさまよう恐怖の海上で再び、「薬売り」が姿を現す。
海原に響き渡る海座頭の琵琶の音。「お前が本当に恐ろしいことは何だ」。その問いにより明らかにされる、己さえも気づかぬヒトの心の欲望。縛りつけていた鎖は紐解かれ、モノノ怪の“形““真““理“を手繰り寄せていく。果たしてこの怪異の正体とは―――『海坊主』これにて終幕。