あらすじ

札幌、薄野の電車通りから2本裏に入った白いビルの5階、クラブ・ペーパームーン。BOX席が4つと、6人座れば一杯になるカウンター。はやりのカラオケは置かず、マスター好みのJAZZが低く流れている。それぞれの事情を抱えた面々が集まるその店には、出会いと別れという人生の真実が充ちている。マスターが別離のために振るオリジナルカクテル、「ペーパームーン」。今宵は誰のために振られるのか――
ももいろペーパームーン 1

札幌、薄野の電車通りから2本裏に入った白いビルの5階、クラブ・ペーパームーン。BOX席が4つと、6人座れば一杯になるカウンター。はやりのカラオケは置かず、マスター好みのJAZZが低く流れている。それぞれの事情を抱えた面々が集まるその店には、出会いと別れという人生の真実が充ちている。マスターが別離のために振るオリジナルカクテル、「ペーパームーン」。今宵は誰のために振られるのか――

ももいろペーパームーン 2

その日、やけにピリピリとしていた真之介は、慎之介に好意を抱く信金の窓口嬢にもつれない態度。「私の客を減らすような真似だけはしないで」と柊子にたしなめられるも煮え切らない…そんな時、同伴していた舞が腹痛で倒れ、「外妊だとヤバイ…!」と真之介がとっさに救急車を呼び病院へ運びこまれる。実は実家が産院だったという真之介がかつて犯した過ちとは…?

ももいろペーパームーン 3

キスをした後も、何事もなかったような顔をしている柊子にやきもきする真之介。そんな折、偶然にもクラブ・ペーパームーンに客として真之介の兄が訪れる。兄に6年ぶりに実家に連れ帰られ、真之介は過去の過ちと向き合うことに。逃げてきた男、捨てられた女、それぞれの過去と向き合った二人の行方は…。