あらすじ15年前に、娘の佐和子(さわこ)が殺害されていたことを知った武田(たけだ)は単独で捜査を開始する。そして、ついに娘が残したダイイングメッセージから、犯人に辿り着く。それはなんと、自分が所属していた会社の元部下・中村であった。残された時効までの時間は、あと数時間……。武田は、まさに必死の覚悟で中村へと詰め寄るのだが……!!
娘は14年間行方不明、更にガンで妻を亡くし、自身も全く同じガンを宣告され生きる希望を見失ってしまった一人の男。 会社においては専務まで上り詰め、立派な家と家族を作ったものの、自分の人生に何の意味も感じられなくなってしまった彼は、悔やむことばかりだと自身の人生を自ら終わらせようとしたその時、一本の電話が入る。 どうせ部下だろう、今日は休むと伝えたのに。 死のうとしてるんだ、ほっといてくれ、と思っていたら留守電に切り替わる。 留守電に録音されたその声の主は警察で、14年前に行方不明となった娘が遺体で発見されたと言う。 確認に付き合うももちろん白骨化している娘に面影などない。 だが彼はその時に刑事から受けた説明から「時効」のリミットが約半年であること。そしてその後医者から余命半年であると告げられ、自身の残ったリミットを生存し続ける意味をそこに見出す。 あらすじまでしか語らないけど本作は読み返すとさすがのコンビだなと感じるところが随所に詰まっている。 ガンへの恐怖に怯える描写や娘に何もしてやれなかったと振り返る描写が冒頭にあるが、そこだけでも福本伸行の物語をかわぐちかいじが描いているんだといちいち頷きながら読んでしまうぐらいに。 二人の名匠が描くサスペンスドラマ、非常に面白いです。